アウトランダーPHEV/太陽光発電/電力会社の電気を最適利用
電気自動車のように電気を蓄え家庭に供給することが可能で、発電機能(エンジン)も持っているのがアウトランダーPHEV。三菱電機の最新V2Hと組み合わせることで、スマートライフをさらに拡大・充実を計ることができる
アウトランダーPHEVの大きな魅力のひとつは、自動車という移動の道具でありながら、家の機能の一部に組み込めるという点にある。以下、休日のドライブ&毎日20?程度の通勤や買い物にクルマを使う、という人をイメージしてみた。
まず、アウトランダーPHEVの充電は電力料金安い夜間に行なう(22時から翌朝8時まで安い料金契約の場合、プランによって時間や単価は異なる)。この時間帯の電力使うと、100?走るための電気料金は約250円(12円41銭×20kW)。10?/L走るガソリン車で燃料代は1250円だから、5分の1の料金で済む。基本的に安いです。
続いて家。今や一戸建ての場合、日当たりさえ良ければ太陽光発電システムを入れるのがお得とされる。4〜5kWの発電能力持つシステムを導入すると、昼間の電力は余るため電力会社に買ってもらえる。加えて夜間に安い電力料金契約にできるため、7〜10年くらいで購入代金を浮かせられるわけ。つまりアウトランダーPHEVと太陽光発電は単独で買って損しなくなってきた。
ということで、ここからが本題です。両方組み合わせるとどんなことになるか? お互いの長所を伸ばせるから興味深い。
いうまでもなく太陽光発電は、太陽さえ出ていれば電気を作れる。けれど日が沈んだ途端に機能停止。日没が18時だとすれば、晩ご飯を作る時間帯に高い電力を買わなければならない。
アウトランダーPHEVから家庭に電力を供給できる『V2H』(ヴィークルtoホームの当て字)を導入したらどうか。
走行して戻ってきたアウトランダーPHEVの電池残量が3分の2くらいと想定すると、夜間電力料金になる22時までの家庭消費電力のほぼすべてをカバーできてしまう。使ったアウトランダーPHEVの電力は、安い夜間料金の時間帯に充電すればOK。
もう少しわかりやすく書くと、アウトランダーPHEVに入れる電力は1kWhあたり12円41銭。それを34円56銭の時間帯に使える。
ということ。ここまで読んで「タイしたことない金額ですね!」と思うかもしれない。
確かに1日88円60銭(34円56銭×4kW-12円41銭×4kW)。ところがチリも積もれば……というヤツで、10年すれば約32万3000円になってしまう。アウトランダーPHEVが自宅の駐車場にある間、コネクターをつないでおくだけで、朝は満充電状態。夕方から家庭に安価な電力を供給してくれるという電力サーバーになるワケです。
今や停電することなど珍しいし、少し不便でもしばらく待てば復旧する。
けれど「長い時間の停電は困る」という方も少なくないと思う。とくに冷蔵庫の冷凍室に食品をストックしていて、溶けたら困ると思う人や、急ぎの仕事があってどうしてもパソコン機器などを使いたいという場合だ。
そんなときにV2HとアウトランダーPHEVがあれば相当心強い。完全に停電しても100Vなら約6000W分の電力をクルマから家庭に供給可能。1000W程度の使用量なら、80%充電状態のアウトランダーPHEVで7時間くらい稼働させられる。
アウトランダーPHEVの電池残量が減ってくると電力供給できなくなる。そうしたらV2Hとの接続を外すので少しの間停電するけれど、アウトランダーPHEVのエンジン始動して発電機モードにしてやれば電池残量80%まで充電できる(ガソリン消費は約3L)。そこから再び7時間電力供給ができるという寸法。ガソリンタンクの45L分で100時間以上も普通に電力を使えるから素晴らしい。
雪国なら吹雪のなかでの停電や、台風の多い地域だと強風により停電も対応できてしまう。発電機と電池を搭載しているクルマは、いろんな可能性を持っている。
<リポート:国沢光宏 撮影:森山良雄>
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