日本の若者はデートにクルマが必須じゃない! これって日本だけ? 海外はどうなってる?

この記事をまとめると

■海外での若者はクルマを使ってデートをしているのか考察

■2000年代になると日本と同様に若者のクルマ離れが目立っていた

■最近ではライドシェアリングなど「所有から共有」というのが主流になりつつある

海外でもクルマは「所有から共有」へシフトしつつある

 かっこいいクルマを持っていないと、女の子とデートに行けない。

 60年代や70年代、日本の若い男性にとってクルマは女性とデートするための”必須アイテム”という風潮があった。その背景には、メディアの影響が大きかった。

 たとえば、当時若い男性の間で人気のあった雑誌「平凡パンチ」では、「女の子」「ファッション」「クルマ」を若者文化の3本柱として位置付けたページ展開をしていたのだ。

 日本はまさに、高度経済成長期の真っ只中であり、庶民にとってマイカーを徐々に上級車に買い換えていくことが、生活の糧(かて)であり、クルマに自分自身の将来の夢を重ね合わせる人が多かった。そうした傾向は、80年代から90年代にも一定の規模で見られたが、2000年代に入ると若者のクルマに対する考え方が徐々に変化していく。

 クルマを移動手段のひとつとして捉えたり、または必要な時はレンタカーや親のクルマを借りればいい、といった割り切った考え方を持つ若者が増えていったのだ。

 こうした若者のクルマに対する意識は、欧米でも日本と同じ頃に変化していった。2000年代半ば頃のアメリカの様子を振り返ってみると、GMやフォードなどの50代の幹部役員らと情報交換しているなかで、こんな話が出るようになった。

「うちの息子たちはまったくクルマに興味がなく、就職先に自動車メーカーを考えていないなど、私の若い頃とは状況が大きく変わって、正直驚いている」というのだ。

 一方で同じ頃、BRICsと呼ばれたブラジル、ロシア、インド、中国などの経済新興国では、まだ日本の70年代にように、若者にとってクルマはデートを含めて重要アイテムという風潮があった。

 ところが、2010年代半ばになると、BRICsの若者の間でも一種のクルマ離れが始まる。

 きっかけは、やはりライドシェアリングだ。

 日本で言うカーシェアリングではなく、個人のクルマをタクシーのようにして使うことを、海外では一般的にライドシェアリングと称する場合が多い。つまり、グローバルでスマートフォンという情報通信デバイスを持つ若者が一挙に増えるなか、クルマに対する「所有から共有」という意識が国や地域を超えて広がったといえるだろう。

 そのほか、公共交通機関を効率的に乗り継ぐ、MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)という考え方も2010年代後半からグローバルで広がってきた。

 そうした中で、若者がデートをするにしても、クルマのライドシェアで買い物や食事、またはeスクーター(日本での電動キックボード)で市街地デートに出かける、といった形も珍しくなくなっている。もちろん、そんな時代でも「クルマ大好き」という若者もいることは確かだ。

 ”若者のクルマ離れ”は、日本だけの社会変化ではない。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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トヨタ・ハイエースキャンパーアルトピア―ノ等
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動物たちとのふれあい
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