この記事をまとめると
■車内のランプの保安基準について解説する
■後方を照射しているとされるルームランプの場合、オレンジ色と赤色はNG
■前面ガラスの上方にある室内照明等は青紫色だと不適合となる
色に関してはいくつか決まりがある
車検の検査項目のなかでも灯火類の点検はひときわ厳しいことで知られている。
ヘッドライトの光軸や個数、電球の色、ケルビン(色温度)、個数、取り付け位置、点滅の仕方や光度の増減などが細かく定められているが、ルームランプやアンビエントライトなどの保安基準はどうなっているのだろう?
結論からいうと車内のランプについてはそれほど厳しい規定はない。
まずルームランプの色について確認すると、「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第62条」に「制動灯や方向指示器等を除き、後方を照射し若しくは後方に表示する灯光の色が橙色である灯火で照明部の上縁が地上2.5m以下のもの又は灯光の色が赤色である灯火を備えてはならない」とある。
つまり、後方を照射しているととられるルームランプの場合、オレンジ色と赤色はNGだということ。
一方で、「自動車の前面ガラスの上方には、灯光の色が青紫色である灯火を備えてはならない」というルールもあるので、前面ガラスの上方にある室内照明等に関しては、青紫色だと不適合になってしまう。
だとすると何色ならばOKなのか。
これは「番号灯、後退灯、室内照明灯を除き、後方を照射し又は後方に表示する灯光の色が白色である灯火を備えてはならない」とあるので、室内照明灯は白色なら間違いない。
その他の色に関しては、とりあえずオレンジ色、赤色、青紫色の三色は保安基準に抵触する可能性が高く、あとは現場の係員次第だが、基本的には大丈夫なはず。
明るさにはとくに制限がなく、配線や取り付けがしっかりしていれば、電球だろうとLEDと光源は自由に選べる。
室内のライトには、ルームランプ以外にアンビエントライトやフットライトもあるが、外から見えない部分のライト、窓の下辺より下に設置されたライトについては、保安基準にも規定がないし、車検の検査項目にも入っていないので、基本的には制約なしで取り付けられる。
ただし、明るすぎてガラスに反射し、視界の確保に悪影響があるような場合は、保安基準ではなく、道路交通法の「安全運転の義務違反」となる可能性もあるので要注意。
アンビエントライトやフットライトは標準装着されているクルマもあるので、それを見習い後付けしたりカスタマイズする楽しみ方もあるが、専門店などの相談しながら、派手すぎない範囲で楽しむようにしよう。