この記事をまとめると
■「チェントディエッチ」はブガッティ110周年記念モデルとして発表された
■1台10億円を超えるプライスでわずか10台の限定モデル
■約13秒で300km/hの速度に達し、最高速度はリミッター制御で380km/h
ブガッティが10億円超のクルマのデリバリーを開始
毎年8月半ばの1週間、世界中から熱狂的なカーマニアやオーナーを集めることで知られる、モントレー・カー・ウィーク。カリフォルニア州のモントレーを中心に、その周辺の街を含めて、さまざまな場所で大小いくつものカーイベントが集中して開催されることからこう呼ばれるようになったこの1週間は、スーパースポーツやプレミアムブランドにとってもニューモデルを発表し、そのプロモーション活動を展開するには最適な場となっている。
たとえば昨2021年、モントレーの隣町にある高級ゴルフリゾートのクエイル・ロッジを舞台に開催された、「クエイル・モータースポーツ・ギャザリング」では、あのブガッティが創業110周年を祝う「チェントディエッチ」をワールドプレミア。チェントディエッチとはイタリア語でそのまま「110」を意味する言葉であり、その生産台数はわずかに10台とアナウンスされたが、すでにそのイベントが開催された直後には(あるいはそれ以前には)、この10台のすべてにはオーナーが決定していたとされる。
チェントディエッチは、邦貨に換算して10億円を超える高額なプライスのモデルだが、ブガッティの歴史を熟知するスーパーリッチには、エットーレ・ブガッティによって設立された第1期ブガッティ、そしてロマーノ・アルフィエーリによりイタリアで再興された第2期ブガッティとも、あのEB110のイメージを彷彿させるデザインで、歴史的なつながりを感じさせるチェントディエッチは、何よりも魅力的な存在としてその目に映ったのだろう。
そのチェントディエッチの第一号車がデリバリーされたのは今年6月のこと。ファースト・オーナーはEB110を所有する生粋のブガッティファンで、モルスハイムのブガッティ本社では、そのEB110とチェントディエッチによる豪華な共演を見ることもできた。
ボディカラーはEB110に合わせてオーナーが選択した鮮やかなブルー。チェントディエッチのベースとなっているのは、もちろん現在のブガッティが生産するシロンだが、それと同等のエアロダイアミクスを得ながら、まったく新しいチェントディエッチのデザインを生み出すには相当な苦労があったという。