この記事をまとめると
■人気の軽商用車3車種を比較
■シートアレンジや荷室の広さが商業以外の用途でも人気を得ている
■先日登場したスペーシア・ベースは過去に前例がない仕立てで注目の1台になっている
仕事に遊びに大活躍な軽商用車が注目の的に!
なにやら、軽商用車の世界が盛り上がっている。
後席はあくまでオマケで、前席ふたり乗りが基本なのは軽商用車ならどれも同じだが、クルマ作りの考え方は、ホンダ、ダイハツ、スズキでじつは結構違うのである。
ホンダN-VANももちろん4ナンバーの商用車だが、本気の商用車となるG、Lグレードのほか、アウトドア派やカスタマイズ用、軽キャンのベース車として活躍させるための+STYLEという、一般ユーザーでも受け入れられるグレードを用意。エンジンもNAとターボを用意し、動力性能にも配慮されているのだ。
気になる積載性については、荷室フロア地上高525mm、2名乗車時の荷室フロア長1510mm、荷室高1365mm。後席、助手席を倒したときの最大荷室長は2635mmを誇る。ホンダ流儀で後席が床に沈み込むように格納できる点もN-VANならではだ。
新型となった、パーソナルユースを意識したアトレーとともにダイハツの軽商用車を代表するのがハイゼット・カーゴ。17年ぶりの新型となる11代目ハイゼット・カーゴは、新開発されたFR用CVTを燃費向上のために採用。エンジンはターボとNAを用意しているが、働くクルマとして採用されるのは値段的にNAのはずだ。しかし、CVTの採用もあってNAエンジン+荷物でもけっこうよく走る。
肝心の積載性では、荷室フロア地上高630mm、2名乗車時の荷室フロア長1915mm、荷室高1250mmとなり、助手席を前倒ししたときの最大荷室長は2650mmに達する。後席左右独立のクルーズターボ、クルーズグレードなら、後席片側だけ倒して運転席側前後2名乗車も可能となる。
そして、もっとも新しい軽商用車が、スズキのスペーシア・ベース。こちらはほぼスペーシアであり、運転席、助手席の仕様もスペーシア基準。N-VANの場合、運転席は耐久性重視、助手席はオマケの1名乗車が基本の前席だから、2名乗車での快適性では、乗り心地そのものも含め、スペーシア・ベースが有利となる。
ただし、N-VANとハイゼット・カーゴにあるターボエンジンは未設定。NAエンジンのみとなるが、意外にも”空車”ならけっこうよく走り、ワゴンRスマイルと同じタイヤを装着していることもあって(スペーシアよりは燃費重視のキャラクター)乗り心地もしっかりとしていて、働くクルマとしてではなく、アウトドア用の大容量ワゴンとしてそこそこの荷物を積む限り(MAX200kg)、商用車感はほぼ感じずに済むのが嬉しい。最大積載荷重を軽商用車で一般的な350kgではなく200kgとしたことで、リヤサスをことさら固めずに済んだのも、乗用車的な乗り心地を手に入れた理由だと推測できる。
ベースはあくまで乗用車のスペーシアとなるスペーシア・ベースの荷室は、フロア地上高540mm、2名乗車時の荷室フロア長1375mm、荷室高1405mm。助手席を前倒しした時の最大荷室長は2030mmだ。なお、助手席シートバックを水平に倒す、車中泊対応のシートアレンジも持ち、その際のフロア長は実測1740mmとなる。