この記事をまとめると
■軽自動車のEV、日産サクラと三菱eKクロスEVが登場
■両車のメカニズムは共通だが、デザインや装備が異なる
■日産サクラと三菱eKクロスEVの違いについて解説する
装備に違いがある!
サクラとeKクロスEVは、両車ともにメカニズムは共通だ。しかし内外装のデザインは大きく異なる。
サクラは、eKクロスやプラットフォームを共通化したデイズと比較して、見栄えを大幅に変えている。その理由は、日産の場合、アリア/リーフ/サクラで電気自動車のラインアップを構成するからだ。デイズと同じデザインにすることも可能だったが、フロントマスクなどには、アリアとの共通性を明確に表現している。日産では電気自動車が得意分野だから、この特徴を打ち出した。
一方、eKクロスEVは、フロントグリルやエンブレムなどの一部を除くと、デザインがeKクロスと共通だ。三菱ではアウトランダーやデリカD:5から軽自動車まで、ダイナミックシールドと呼ばれるSUV感覚のフロントマスクを備える。これが三菱車の象徴になっているから、eKクロスEVは、eKクロスとほぼ同じ外観に仕上げた。
そしてeKクロスEVは、サクラに比べて売れ行きが少ないため、コスト低減を図る必要もあった。日産の販売店舗数は全国に約2100箇所を展開するが、三菱は約540箇所だ。三菱の販売網は日産の30%以下だから、販売台数も限られ、サクラのようなデザイン面の独自性は追求していない。
しかし三菱の販売店では「eKクロスEVは、アウトランダーやデリカD:5を使うお客様が、セカンドカーとして購入することも多い。そのために三菱車の共通性を伴うダイナミックシールドのフロントマスクが人気を得ている」という。確かにeKクロスEVのフロントマスクなら、アウトランダーやデリカD:5と並べて駐車した時の見栄えは良さそうだ。
つまり電気自動車としての個性を大切にするならサクラ、SUVをコンセプトにした三菱車としての持ち味ならeKクロスEVになる。
なおサクラGの価格は294万300円、eKクロスEV・Pは293万2600円だ。両方ともに上級グレードで、価格もほぼ等しい。
しかし装備には差があり、サクラGにはeKクロスEVがオプション設定にしている運転支援機能などが標準装着される。逆にeKクロスEV・Pは、充電ケーブルが標準装着されて、アルミホイールも15インチに拡大される。サクラとeKクロスEVを比較して、必要な装備を過不足なく装着している車種とグレードを選ぶ方法もあるだろう。数年後に売却する時は、電気自動車の特徴を表現しているサクラが有利になる。