この記事をまとめると
■荷台に自衛隊員を乗せたトラックが公道を走っていることがある
■有事の際には出動できるようにしている
■乗車定員は決まっており、シートベルトは装着していない
シートベルトは存在しない!
自衛隊が公道を使って移動しているのを見かける。各種作業車や装甲車、トレーラーに積んだ戦車などさまざまだ。そのなかでもよく遭遇するのが荷台に自衛隊員を乗せたトラック。後ろを走っていると、目があったりしてなんだか照れたりするが、そもそも荷台に乗っていいのだろうか?
一般的に言うと、我々も荷台に乗ることは許されている。ただし、自衛隊のように移動のためではなく、積んだ荷物を監視するためならOKで、道交法では「貨物を看守するため必要な最小限度の人員をその荷台に乗車させて運転することができる」としている。つまり状況に違和感がなければ、何人でもいいことになる。
とはいえ、そんなにみんなで見守るような荷物というのはそうそうありえないし、「見ている」と言い張っても、あまりに過度だと警察に取り締まられ、どうしてもというなら裁判で争うことになる可能性もある。不自然でないのは、近所への引っ越しなどでひとりだけ荷台に同乗する程度だろう。
話は戻って、自衛隊の場合だ。有事の際には、目的地に荷台に乗って、事が起これば一斉に降りて展開というのを想定しているのは想像に難くない。自衛隊法でも「法令で定めるものについては道路運送車両法を適用しない」とあるので違法ではないのだ。
そうなると定員も乗れるだけと思ったりもするが、実際は荷台に設置されたイスに座れる人数が定員となっている。ちなみにシートベルトはしなくてもいいというか、ない。そもそも平和な時代に移動するとしても、自衛隊員がしっかりとシートベルトをして荷台に乗っているというのも、いざというときの備えとして考えた場合、おかしな感じがする。