ベース車と構造をほとんど変えずにオープンを作り出せる
安全性や剛性確保の点から、最近では用意されることも少なくなってきたサンルーフ。もちろん健在だが、そもそも屋根が真んなかだけ開くというのはどういうルーツで発生したのだろうか。
ご存じの方も多いだろうが、日照時間が少ない地域も多い欧州では、日光は大切なもの。それを少しでも浴びたいということで、オープンカーがラインアップされてきた。ただオープンカーを作るのは補強などを入れなくてならず、作るのは大変。そこで真んなかだけ切り取って、そこにキャンバスを被せた、キャンバストップが登場してきた。2代目フィアット500は代表例だ。
それが広がって、日本でもN360が採用して、フェスティバなどの大ヒットもあった。ただ、キャンバスだと実用車はいいけど、高級車には見た目も悪く今ひとつマッチしないというのも事実。そこでキャンバスに代えてスチールにしたのがサンルーフだ。
メリットはまず、オープン気分が味わえる上に、開閉が面倒ではないということがある。構造的にも最小限の改造で済む。その昔は後付けのサンルーフがあったほど。見た目も閉めてしまえば、パッと見は普通のボディに見える。さらにタバコを吸うときの換気にも活躍するなどがメリットだろうか。
デメリットは少し価格が高くなるのと、パッキンが劣化すると雨漏りがする可能性がある程度か。ちなみにサンルーフに対して、ムーンルーフというのが1980年代から1990年代にあったが、これはルーフがガラス製になっているものを指していた。