この記事をまとめると
■新車の納期遅延が頻発し、回復の兆しもまったく見えていない
■下取り車も入って来ず、中古車の流通台数も減って相場価格も上がっている
■中古車価格高騰中のいまだからこそ愛車を高く売って在庫車両を買うという手もある
愛車を高く売って新車をお得に購入するチャンス
いまは新型コロナウイルスとロシアのウクライナ侵攻の影響を受け、新車の納期が大幅に遅れている。メーカーの開発者は次のように説明した。「納期遅延の理由は、一般的には半導体不足とされる。間違いではないが、ほかの供給も滞り、ワイヤーハーネス、塗料、樹脂などさまざまだ。しかも回復の兆しはない」。
トヨタの販売店は「新車の納期が遅れ、受注を停止させた車種も多い。売るクルマがない状態になっている」と述べた。たとえばプリウスは、以前から納期が半年以上に遅延していた。そして2022年の末から2023年の初頭にフルモデルチェンジを予定している。仮にプリウスの納期が7カ月で、2023年2月にフルモデルチェンジを実施するなら、2022年7月以降は新型の受注を開始せねばならない。納期が7カ月なら、2022年7月に契約しても納車は2023年2月で、その時にはすでに次期プリウスの生産が始まっているからだ。
しかし2022年7月時点で次期型を受注する準備はできておらず、プリウス自体の受注が停止することになった。
そして、新車の納期が遅れると下取り車も入荷しない。この影響で、中古車の流通台数も減ってきた。したがって新車の納期が長く、待てないために高年式の中古車を買おうとしても、目当ての車両を探しにくい。さらに品薄を反映させて、中古車価格が高騰してきた。中古車販売店からは「車両が今まで考えられなかった高値で取り引きされている」という話が聞かれる。
この状態がいつまで続くかはわからない。納期の遅延が解消されて下取り車が増えると、中古車の流通台数も増加して、価格が急速に下がる可能性もある。そうなると中古車価格が高騰しているいまこそ、愛車の売りどきとも判断できる。
それならどうするか。愛車を高値で売却するならいまがチャンスだが、新車の納期が長いと、愛車を売ったらクルマのない生活を強いられる。中古車を買うにも価格が高いのだ。
そこでベストな方法は、新車選びを工夫して、一部の納期の短い車種や在庫車を探すことだ。トヨタの販売店では「カローラスポーツ、ヤリス、パッソ、ライズのノーマルエンジン車などは、納期が3カ月から4カ月と比較的短く、一部には在庫車も残る」という。ホンダでも「フリードのノーマルエンジン車、廃止が決定したインサイトの一部グレードは、短期間で納車できる」という。
これらの納期が短い車種は、不人気だったり、フルモデルチェンジを控えていたりする。したがって、値引きの拡大、ディーラーオプションのサービス装着などもしっかりと商談したい。そうすれば、愛車を高く売って、新車を安く買うことも可能だ。いまは厳しい時代だが、クルマをオトクに乗り替える絶好の機会にもなり得る。