この記事をまとめると
■熱に弱いはずのECUだが、最近は高温になるエンジンルーム内に設置される場合が多い
■ECUをエンジンルーム内に設置する理由は配線の短縮と室内空間の確保にある
■最近のECU関連電子部品の耐熱温度は125度ぐらいとなっているため問題ないとされている
制御する機器とECUの距離が近ければより精度が高まる
電子機器は熱に弱い。パソコンやスマホも例外ではない。しかし、最近のクルマのエンジン制御用のコンピュータ、いわゆるECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)は、よりによってエンジンルームのなかにある。
エンジンルームは最高で 120度にも達するといわれる超高温の世界。平成初期の国産車では、そうした高熱を避けるために、ECUは車室内搭載がスタンダードだった。
にもかかわらず、2010年頃から電子機器の大敵、熱と湿気が厳しいエンジンルーム内にECUが移設されたのはなぜなのか。
その主な理由は配線の短縮と室内空間の確保といわれている。と同時に、ECUとセンサー類、アクチュエーター類の距離が近づくと、それだけフィードバックの精度も上がるので、燃料の噴射量やタイミングもより最適化され、燃焼効率と燃費の向上、排ガスの有害成分低減につながるというメリットがあるからだ。
その実現のために、自動車メーカーからは、電子部品メーカーに対し、より耐熱性が強く、放熱性に優れ、なおかつコンパクトなECUを要求し続けてきた。