この記事をまとめると
■アルヴェルを筆頭に強そうなフロントグリルが流行し始めた
■オラオラ顔は周囲のクルマを威嚇できるというイメージがある
■12年前と今の「車線を譲ってもらえるクルマ」をランキング型式で解説する
12年前「もっとも譲ってもらえたクルマ」はメルセデスEクラス
2021年、日本で一番売れたミニバンはアルファード。一番デカくて値段も高いミニバンが、数の上でも一番になったのだから、驚くべき現象だ。あの鎧のように強そうなフロントグリルは、今や全国民の憧れの的である(?)。
アルファードに続けとばかりに、新型ヴォクシーは超獣顔でリボーンした。これまた売れ行きは絶好調。受注開始から2カ月で約3万5000台もの注文が入った。ステップワゴンがようやく2万台を超えたのに比べ、オラオラ顔人気の高さがよくわかる。
ところで、オラオラ顔のクルマを買う人は、オラオラ顔に何を期待しているのだろう。
たぶん最大の理由は「カッコいいから」ということになるのでしょうが、「周囲のクルマを威嚇できるから」とか、「高速道路で車線を譲ってもらえそうだから」というのも、ひょっとしてあるかもしれない。
で、オラオラ顔のミニバンは、実際、高速道路で車線を譲ってもらえるのか?
今を去ること12年前、『CARトップ』誌にて、「イカツ顔選手権」なる実験が行われた。6台のクルマで高速道路を走行し、どのクルマが車線を譲ってもらえるかを体感(あくまで体感)したのである。
参加したオラオラミニバンはエルグランド。まだアルファードもエルグランドも先代モデル時代で、アルファードの天下は完全には確立しておらず、顔のオラオラ度も拮抗していた。
結果は驚くべきものだった。ほとんど車線を譲ってもらえなかったのだ! 譲ってもらえるどころか、逆に「意地でも譲るもんか」という意思が見える場合もあった。
その時のテスト参加車両と、体感的な「譲ってもらえた度」の順位は、このようなものである。
1位 メルセデスEクラス/99点
次々とクルマが譲ってくれて、まるでモーゼ!
2位 フェアレディZ/70点
車高が低くてルーミミラーに映りづらい割には、かなり譲ってもらえた。
3位 レクサスLS/65点
意外と効きが弱い印象。スピンドルグリル導入の理由がよくわかる。
4位 インサイト/55点
当時のインサイトは、割と速そうなフロントマスクだったのが効いた?
最下位 ランドクルーザー/40点
断じて譲るまじ! というクルマ多し。
最下位 エルグランド/40点
上に同じ。
このように、ダントツはメルセデスで、オラオラミニバンは、ランクルとともに最下位に沈んだのである。
ランクルやオラオラミニバンが譲ってもらえなかったのは、「速くもないくせに、顔やデカさで威圧するなんて卑怯!」という意識が働いたと推測される。逆にメルセデスは、アウトバーン伝説とヤクザ伝説の合体だろう。
あれから12年。現在はどうなのか?