この記事をまとめると
■バグガードというアイテムがある
■虫よけを意味するが、ファッションとして装着している場合が多い
■アメリカではピックアップトラックに装着するのが一種のステイタスだ
さまざまなバリエーションが存在
アメリカでたまに見かける自動車用の商品に、バグガードがある。直訳すれば、虫よけだ。
ボンネットの先端に、小型スポイラーのようなかたちで装着したり、または競馬に出走する競争馬がつける馬具のマスクのようなタイプもある。
日本ではあまり見かけないが、どうしてアメリカではバグガードをつける人がいるのだろうか?
正確な理由について、明言できるようなデータはないと思う。その上で、アメリカ市場の実態をベースに、バグガード普及の流れを考えてみたい。
単純にいえば、バグガードはファッションである。合成繊維を使うタイプは、まさに競馬の競走馬のイメージだ。その意味では、フォード「マスタング」はその名のとおり、馬をイメージした商品であり、バグガードとの相性が良いといるかもしれない。
また、FRPなど樹脂製のバグガードは、ボンネット幅を目いっぱい使う横長タイプから、フロントグリル幅を少し広げた程度のタイプ、またヘッドライト上部だけのタイプなど、さまざまなバリエーションがある。
バグガードはファッションとしてだけでなく、当然ながら実用性も加味した商品だ。まずは、バグだが、日本では通常、高速道路や山間部のワインディングを走った時にクルマのフロント部分につくバグはさほど多くないという印象がある。
一方で、アメリカの場合、地域にもよるが、走行中にクルマにつくバグの数がとても多い。多いだけではなく、バグ自体が大きいことがある。
さらに、場所によっては大きなバグが異常発生していることもある。
実際、筆者の場合、ジョーニア州アトランタから内陸部にフリーウエイで北上する際、まるで”バグの壁”に突入するような経験をしたいことが何度かある。
その時は、ダッジのラムトラックに乗っていたのだが、真剣にバグガードを購入しようかと思い、アフターマーケット用品店で品定めをした。
さらには、毎年秋にネバダ州ラスベガスのコンベンションセンターで開催される、世界最大級の自動車アフターマーケット見本市・SEMAショーでは、バグガードの出展が多い。
とくに、ピックアップトラック用のバグガードは多様なメーカーから各種製品がリリースされていて、ガードの厚みや色見など、ユーザーがカスタマイズできる。
ピックアップトラックでは、かっこいいバグガードを付けるのが、一種のステイタスでもあるのだ。
また、アメリカの道路は舗装の状態が悪い場合も多く、大切な愛車が飛び石で傷つくことを防ぐため、馬具のようなフルフェイス型のガードマスクをつけるとも考えられる。
そうとはいえ、最近のアメリカでは、一時に比べてバグガードをつけている人は減った印象がある。
やはり、バグガードはファッションアイテムとしての存在感が大きく、流行に左右されやすい商品なのかもしれない。