この記事をまとめると
■いま所有している愛車に長く乗りたいという人は少なくないだろう
■クルマの維持や運転のしかたには劣化を早めてしまうものがある
■この記事では9つの例を挙げて解説する
ささいなことで劣化のスピードが変わる
最後のガソリン車、最後のMT車……といったフレーズがいろんな場面で聞こえてくる昨今、今の愛車と長く付き合いたい、いい歳のとり方をさせてあげたいというユーザーは多いだろう。
にもかかわらず、気がつかないうちにクルマの劣化、老化を早めてしまうケースがいくつかある。それをいくつかチェックしておこう。
暖機運転
停車したままアイドリング状態で数分間待機し、エンジンのオイルと水温を上昇させてからクルマを動かす暖機運転。
理にかなっているように思えるし、クルマにとってもよいことのように思えるが、止まったままアイドリングでエンジンだけを回しても、クルマのウォームアップにはならない。むしろ暖機運転だけして、そのあと元気よく走り出してしまうほうがクルマをよっぽど傷めてしまう。それよりもエンジンをかけたらすぐに出発して、10分ぐらいゆっくりした操作、ゆっくりした速度で走る「暖気走行」が重要。エンジンの水温・油温だけでなく、ミッション、デフ、タイヤ、ブレーキ、各種ベアリングをゆっくり暖めてやるのが最善ウォームアップ。
アイドリング状態を続けるのは、ガソリンの無駄遣いで、オイルの劣化や、バッテリーの充電不足、さらに燃焼室、ピストン、バルブなどに、カーボンやスラッジを溜めるだけで、環境にも悪いしいいことはない。
ボディカバーを掛ける
表面がきれいなボディにボディカバーを掛けるのはOKだが、ホコリや砂が付着したボディにボディカバーを掛けるのは、かえってボディを傷つける要因になるのでおすすめできない。場所によっては湿気が籠もることにもなるし、紫外線カットにはいいかもしれないが、ボディのことを考えると、カバーを掛けるよりマメに洗車をしたほうがメリットは大きい。
ハンドルの据え切り
昔からいわれていることだが、ハンドルの据え切りはステアリング系、タイヤ系に大きなストレスがかかる行為。もちろん今のパワステはよくできているので、油圧式でも電動パワステでも据え切りを多用したからといって10万kmぐらいで壊れるようなことはない。
しかしタイヤが偏摩耗したり、ブッシュ類が痛んだり、各部の老化を早めるのは確かなので、据え切りは必要最小限で。