この記事をまとめると
■MT車に慣れるためのコツを紹介
■力まずに操作することがスムースな操作への第一歩
■シフトノブの素材やシートポジションにこだわるのも大切だ
MT車に慣れるために必要なコツとは
こんなことを言うと今では怒られてしまうかもしれないが、1980年代頃までは「男はMT」といった風潮があり、女性からも「シフトチェンジする左手(右手)がセクシー」などと言われたことがあった。
そのセクシーと評されるようなシフトワークは、力のこもったシフト操作ではなく、力みのない優雅で滑らかなシフトチェンジだ。
そうした上手なシフトを体現するための第一のコツは、肩の力、手首の力を抜いて、シフトノブを優しく握ること。
無駄な力みがあるからこそ、シフト操作がギクシャクした固い動きになり、それがシフトミスにもつながるので、肩肘張らずに、手首を脱力させて、シフトノブを握りしめずに、「締めず弛まず」の心で操作できることを目指そう。
と同時に、自分の手のひらにマッチするシフトノブに交換するのもひとつの手。
本革など滑りにくい素材で、手にフィットしやすい形状のシフトノブに交換するのも立派なチューニングであり、セッティングだ。
次にニュートラルの位置を身体に覚え込ませること。
MT車のシフトは、ニュートラルにするとバネの力で自然に3速と4速の間に戻るようになっている。この力を最大限利用するのが、スムースなシフトワークの秘訣。
2速から3速にシフトアップするときも、2速からニュートラルに戻すときだけ、少し力を入れて、あとはスプリングの力で3速直下までシフトレバーを動かしてもらって、そこから3速に入れるだけ。ほかのギヤに入れるときも、シフトゲートに逆らわないようにするのが上達のポイントだ。
またシフト操作は早ければ早いほどいいというのは間違い。
ゼロヨンやレースでの予選アタックでもない限り、電光石火のシフトなど不要。むしろシフトチェンジの際、ニュートラルの位置で一呼吸置くとギヤが同期しやすくなって、吸い込まれるようなシフトワークが可能になる。