1817馬力で500km/hの記録を狙うってもはや意味不明! 24台がすべて完売した「ヘネシー・ヴェノムF5」というハイパーカーは何もの? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■ヘネシー・ヴェノムF5はヘネシーパフォーマンスによる完全オリジナルのハイパーカー

■最高出力1817馬力の6.6リッターV8ツインターボをミッドシップに搭載する

■最高速度は500km/hとされ、限定24台、価格は210万ドルから

2013年にはギネスレコードを記録したヘネシーの次なる挑戦

 1991年、アメリカのテキサス州に設立されたヘネシー・パフォーマンス社は、同社を率いるジョン・ヘネシーによって、パワフルであると同時に、高い信頼性を誇るモデルを製作することを企業理念とするチューニングメーカーだ。その活動は実に幅広く、アメリカ車のほかにもドイツ、日本、イギリスのブランドを素材としたモデルを数多く手がけてきたほか、2000年代に入ると自社製のオリジナルモデルの開発にも進出を果たすようになる。

 そのファーストモデルは、ロータス・エキシージをベースとした「ヴェノムGT」で、カーボン製のオリジナルボディによって軽量化を図って1244kgの車重を実現。一方で、エンジンはGM製の7リッターV型8気筒をベースにツインターボを組み合わせ、最大で1244馬力仕様(ほかに800馬力、1000馬力に調節が可能だった)。

 29台のクーペと5台のスパイダーが生産され、2013年1月にはギネス・ワールドレコーズの認定委員が立ち会う0-300km/h加速テストで13.63秒を記録し、ギネス世界記録に認定された。また、それから約1カ月後には、カリフォルニア州のナヴァル空軍基地において、427.6km/hの最高速を記録。ヘネシーの名は、これらの記録により一気に世界へと轟いたのだ。

 だが、ヘネシーのチャレンジはこれでは終わらなかった。2017年のSEMAショーに、彼らは「ヴェノムF5」と呼ばれるニューモデルを持ち込み、それをワールドプレミア。ちなみにヴェノムとは、直接的には英語で「毒」を意味する言葉であり、それに続くF5は、竜巻の強さを表す世界基準ともいえる「藤田スケール」における最大クラス。いかにもヴェノムGTの後継車として誕生し、最高速で500km/hを狙うモデルの名としては相応しいネーミングである。

 ヴェノムGTではエキシージのシャシーが用いられていたが、このF5のシャシーは完全にヘネシー・オリジナルのカーボンモノコックが基本構造体だ。

 ボディにも同様にカーボンが使用されているのは当然で、車重はGTよりも若干増加して1360kgという数字になった。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
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