この記事をまとめると
■日曜日にタイ・バンコクの新車ディーラーを訪れると休業日だった
■定休日とはいなかいまでも、多くの国のディーラーの日曜日はあまりクルマが売れないようだ
■その理由や各国の事情について解説する
多くの国のディーラーが日曜休み
BTS(高架鉄道)で宿泊先最寄り駅からアクセスできる、バンコク市内中心部の新車ディーラーが集まっている場所を教えてもらったので日曜日に見に行った。現地についたのは午前10時すぎ。そこにはトヨタ系、日産系、マツダ系、GWM(長城汽車)系のディーラーがあった。しかし、ディーラー敷地内にはセールスマンもおらず閑散としていた。「お昼近くから営業開始になるのかな」と思ってみたが、一向に店が開く気配がない。そのうち「もしかしたら……」と思い、地元事情通に聞くと「はい、タイでは新車ディーラーは日曜日定休日になっていますよ」とのこと。
日本では日曜日といえば稼ぎ時で店を閉めているディーラーなどはまずない。「こちらの人は日曜日にクルマは買いません。だから店を開けていてもお客さんはきません。平日に仕事の合間を縫って新車を買っていますよ」(事情通)。日本でも新車を買うときの商談となれば、数時間はあっという間に経ってしまう。せっかくの日曜日を、新車購入の商談で潰したくないとの判断があるようだ。
以前中国で新車ディーラーを訪れた時も、日曜日を定休日にはしていなかったものの、「日曜日に新車を買う人は少ない」とのことだった。これは、現状どうなっているかは未確認だが、当時は新車を買ったあとに、購入者が当該新車を持ち込んでナンバープレートの発給を受けることになるので、日本でいうところの陸運支局が休みとなる日曜日を避けるひとが多いとのことであった。
アメリカでは「富裕層は日曜日に買い物しない」と、某高級ブランド車ディーラーで聞いた。「富裕層は週末別荘へ出かけたり、レジャーをエンジョイするので新車だけでなく、買い物は平日に済ませます。そのため、私どもの店でも責任者であるゼネラルマネージャーも日曜日は休みです」とのこと。日曜日にその店舗を訪れると、セールスマンが日光浴をしてリラックスしていた。「飛び込みの新規のお客様がいるかもしれないので、とりあえずみんな出てきています」とのことであった。
いまだに日曜日の比重が高い日本の新車販売は、ある意味日本人のライフスタイルがまだまだフレキシブルでないことを映し出している。ただ日本でもコロナ禍となり、リモートワークなど、働き方がフレキシブルになってきているので、近い将来新車ディーラーが日曜休業するかもしれない(ちなみに新車ディーラーはそもそも日曜日休みとなっていたのを、日曜営業にしたという経緯がある)。