この記事をまとめると
■紙カタログ廃止の噂が出ている
■ディーラー側としても、紙カタログは最近あまり必要なくなっているという
■海外では既に紙カタログを置かないメーカーが出てきている
近い将来、紙のカタログが絶滅するかもしれない
ある日ネットニュースをチェックしていたら、“トヨタが紙ベースのカタログを廃止へ“というニュースが目に入った。クルマのカタログを集めはじめてから(たいしたコレクションではないが)約50年となる筆者としてはただならぬそのトピックに驚いた。ちょうど別件でトヨタ系ディーラーへ出かける用事があったので、現場で確かめることにした。
応対してくれたセールスマンは、明言は避けたものの会社からはそのような(紙カタログがなくなるかも程度?)内々の話があったようなことを語ってくれた。
筆者が目にしたネットニュース内のコメントとほとんど同じであったが、「最近のお客様はメーカーのWEBサイトにより、商談前にあらかじめご自宅で商品概要などを把握してご来店されるケースが目立ちます。ですから、商談では値引きなどの購入条件の交渉がメインとなりますので、紙ベースのカタログをご用意しなくても商談が進むことが多くなりました」とのこと。いまどきは若い世代ほど“コスパ(コストパフォーマンス)”や、“時短(時間短縮)”を好むというから、商談も可能な限り“時短”となるように心がけるお客が多いようだ。
そもそも若い世代のなかには、雑誌は読まなくなり、本から情報を得る習慣がない人も多くいると聞く。学生でも辞書は電子辞書が主流だし、とにかくペラペラとページをめくってというよりは、スマホなど電子ツールで情報収集するのが主流なので、その意味では紙ベースのカタログは今後の世の中を見据えれば必要なくなると考えるのは自然の流れのようにも見える。前出のセールスマンはさらに、「配布用にカタログをある程度ストックするのですが、最近は配りきれずに余るケースが目立っております」とし、紙カタログがすでに無駄なものとなりつつあることも話してくれた。今後はオンライン商談も積極活用されてくるだろうから、紙カタログもその使命を終えつつあるともいえそうだ。
また、いまは紙ベースで提示されることがほとんどともいえる見積書(個人ユーザー向けは正式なものではなく、商談プランなどとした別書式となる)も、今後はセールスマンのタブレットで商談時には提示し、お客が自宅でも検討できるように、PDFデータなどでメール送信されるのではないかとセールスマンは話してくれた。