この記事をまとめると
■日産スカイラインのハイブリッドモデルがオーダーストップとなった
■電動化の時代にガソリンのみが生き残った理由とは?
■ガソリンターボが生き残るという保証もない
プロパイロット2.0も4WDも同時に消滅
日産自動車のホームページで、スカイラインのページを訪れると『ハイブリッド車につきましては、注文台数が予定販売数量に達したため、オーダーを終了いたしました。』という文言が記されていることが密かに話題になっている。
現行スカイラインからハイブリッド(HV)がなくなったということは、アテーサE-TSシステムを使った4WDグレードが消えたということであり、またハンズオフを実現した先進運転支援システム「プロパイロット2.0」設定車も消滅したということになる。
それにしても、「技術の日産」を象徴するような1モーター2クラッチハイブリッドシステムを採用しているのに加えて、上記のような最新テクノロジーが投入されたスカイラインHVがオーダー停止となっているのは不思議でならない。
なにしろスカイラインには400Rに代表される3.0リッターV6ターボのグレードも用意されているが、そちらはまだオーダー可能だからだ。グローバルには電動化へシフトしているのは間違いないのに、HVをなくして純ガソリンターボを残しているということに違和感を覚える人も少なくないだろう。
さて、HVの受注が終了しているスカイラインだが、モデルとしての将来は安泰なのだろうか? 安泰という言葉を使えるほどの状況ではないが、ひとまずスカイラインは日産のアイデンティティを支えるモデルとして継続するであろう。
事実、2020年5月に発表された事業構造改革計画「NISSAN NEXT」のプレゼン資料を見てみよう。
(https://www.nissan-global.com/JP/COMPANY/PLAN/NEXT/ASSETS/PDF/2019results_presentation_939_j.pdf)
2023年度までに車種を絞るという説明のページにおいて、集中するセグメントのひとつに「スポーツ」を挙げており、その一例として現行スカイラインの写真が掲載されていた。選択と集中のなかで、スカイラインは生き残るであろうことが示されていたのだ。
同時に、事業構造改革計画「NISSAN NEXT」では商品サイクルの短縮化(4年ごとのフルモデルチェンジを目指す)、ホームマーケットである日本では電動化比率を60%に高めるという目標も掲げられていた。
さらに、スカイラインは海外ではインフィニティ・ブランドで扱われているが、同ブランドは日産ブランドよりも電動化を加速させる方針であることも発表されている。
もっともEVに距離を置いているように見えるトヨタであっても、そのプレミアムブランド「レクサス」は2035年のフル電動化を宣言している。プレミアムブランドがフル電動化に向かっているのは世界共通のトレンドであり、スカイラインが海外でインフィニティとして売られるのであれば電動スポーツカーとして進化するということも考えられる。