この記事をまとめると
◼︎トヨタの看板車種クラウンの歴史を振り返る
◼︎15代に渡って65年以上名前が続いている
◼︎モデルチェンジ目前との噂もあるだけに新型が気になるところだ
日本が誇る高級サルーンのパイオニアを振り返る
日本を代表するモデルのひとつ、トヨタ・クラウンの周辺が騒がしい。セダンスタイルから脱却するという話もあれば、グローバルモデルに進化するという噂もある。「クラウン」という響きに、オジサン向けのオーソドックスなセダンというイメージを持っていると、そうした革新的なチャレンジを意外に思うかもしれないが、クラウンはトヨタによる挑戦から生まれたという部分もある。はたして、クラウンのDNAとは? その歴史を振り返ってみよう。
初代:誕生1955年(全長4285mm・全幅1680mm・全高1525mm・ホイールベース2530mm)
観音開きのドアが印象的な初代クラウンの基本コンセプトは「純国産乗用車」。欧州車のノックダウンではない、完全にジャパンオリジナルの乗用車として生まれている。当初のエンジンは1.5リッター4気筒OHVで、後期型では1.9リッターも登場した。
2代目:誕生1962年(全長4690mm・全幅1695mm・全高1460mm・ホイールベース2690mm)
初のフルモデルチェンジにより生まれた2代目は5ナンバー(小型車)枠いっぱいのオーソドックスな4ドアセダンボディを与えられた。その先端に王冠マークが輝くようになったのも2代目からだ。
ボディバリエーションは、ステーションワゴン、ライトバン、ピックアップなど増えていったのも特徴だ。1965年のマイナーチェンジで2リッター直列6気筒エンジンを積むようになり、さらに上級モデルのクラウン・エイトには2.6リッターV8エンジンを搭載するなどパワートレインも多様化していた。
3代目:誕生1967年(全長4665mm・全幅1690mm・全高1445mm・ホイールベース2690mm)
クラウン=乗用車の頂点というイメージを生み出したのが3代目だ。フルモデルチェンジ時点から2リッター6気筒エンジンを中心としたラインアップとなり、また2ドアハードトップをバリエーションに追加するなどパーソナルユースのイメージを色濃くしたクラウンでもある。
4代目:誕生1971年(全長4680mm・全幅1690mm・全高1420mm・ホイールベース2690mm)
ユニークなルックスから「クジラ・クラウン」という愛称がついたモデル。基本となるエンジンは2リッター6気筒で、ボディも5ナンバーに収まるサイズが基本となっている。
そのエンジンはEFI(電子制御)化されるなどクラウン=最新テクノロジーという印象も強くした。上級グレードとして2.6リッター6気筒エンジンも設定された。
5代目:誕生1974年(全長4655mm・全幅1690mm・全高1420mm・ホイールベース2690mm)
4ドアセダン、2ドアハードトップ、ステーションワゴンに加えて、4ドアハードトップという新しいバリエーションが生まれたのが5代目でのトピック。
そのほかクラウンの代名詞的なグレード「ロイヤルサルーン」が生まれたのも、5代目のときだ。
6代目:誕生1979年(全長4690mm・全幅1690mm・全高1410mm・ホイールベース2690mm)
角目4灯となった6代目は、クラウンとして初めてターボエンジンを搭載したのが注目ポイント。上級グレードには2.8リッター6気筒エンジンも用意された。
このモデルを最後に2ドアハードトップはクラウンから消滅する。
7代目:誕生1983年(全長4690mm・全幅1690mm・全高1410mm・ホイールベース2720mm)
クラウンを象徴するCMキャッチコピー「いつかはクラウン」が生まれたのは、この7代目のときだ。日本経済が成長する勢いに乗りクラウンの市場も拡大。
ロイヤルサルーンに3リッターエンジンが搭載されたり、2リッタースーパーチャージャーエンジンが登場したり、また走り重視の特別仕様車「アスリート」が誕生するなど、ラインアップも充実していった。
8代目:誕生1987年(全長4690mm・全幅1695mm・全高1410mm・ホイールベース2730mm)
見ての通り、大ヒットした7代目の正常進化版といえるのが8代目クラウンだ。この世代で注目すべきはエンジンバリエーションの豊富さで、2リッター6気筒を基本としつつ、2リッタースーパーチャージャー仕様や3リッターツインカムエンジンなどを設定。
さらに1989年にはセルシオ譲りといえる4リッターV8エンジンを搭載、1990年には自動車税改正に合わせて人気となった2.5リッター6気筒エンジンを追加設定している。