驚くほどの納期遅延でもユーザーは「欲しい」を貫く! 2022年2月の新車販売台数ランキングで浮き彫りになった事実 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■2022年2月の販売台数ランキングが発表された

■軽自動車はホンダN-BOX、登録車のトヨタ・カローラシリーズがトップ

■結果からの考察を解説する

軽自動車はN-BOX、登録車はカローラシリーズがトップ

 本来なら事業年度末決算セールを左右する重要な月が2月となるのだが、自販連(日本自動車販売協会連合会)から登録車、全軽自協(全国軽自動車協会連合会)から軽自動車の通称名(車名)別での2022年2月単月の新車販売台数統計が発表されると、改めて新車の深刻な納期(生産)遅延の現状を知ることとなるような、とても2月の統計とは思えない内容となっていた。

 軽自動車(含軽)も含む通称(車名)別販売ランキングを作成してみると、販売トップとなったのはホンダN-BOXであり、前年同月比107.4%となっている。ホンダの国内販売では、“一本足打法”といっていいほどN-BOXへの依存度の高さが目立っている。さらに、事業年度締めでの年間販売台数トップも狙っているので、部品などの生産資源を集中させたかのように見える。2位は登録車のトヨタ・カローラシリーズ。N-BOXとトップ争いを繰り広げるヤリスは4位となっている。

 いまどきの販売ランキングは“人気のバロメーター”や“売れ行き”を表してはいない。主に当該月にどれくらい生産できたのかを表していると考えてほうがいい。それは、トップ10に名を連ねる、ルーミーやライズ、ノート、フリードなど、各メーカーで比較的納期が短めなモデルが目立っていることからも明らか。ただし、統計上は好調にも見えるライズも2月下旬に話を聞くと、「受注をもらった時の新車引き当て予定が2カ月だったのが、いきなり配車時期不明になった」など、不安定な動きを見せているような話も聞いている。

 1月13日に発売となった、新型ノア&ヴォクシーは初のフルカウント月となるものの、ヴォクシー2073台、ノア2227台となっている。これは、販売現場で聞いたところでは、ハイブリッドの生産開始が2月からとなっており、今回カウントされた大部分がガソリン車でニーズの高いハイブリッドのカウントが少なかったことが考えられる。そのためこれをもって販売苦戦というわけではない。

 注目すべきはステップワゴンが2586台を販売していること。1月7日に発表された最新型はまだ発売となっていないので、これは現行モデルでの台数となる。市中にまだこれだけ在庫車が残っていたことになるだろう。

 現状ではステップワゴンは最新型の発売待ち、ノア&ヴォクシーは生産及び納期遅延となっているので、5981台で登録車のみで8位に入っている日産セレナが納期は短めなこともあり、このクラスの需要を一手に引き受けているように見える。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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2019年式トヨタ・カローラ セダン S
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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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