クセ強めだけどそれが人気だった! よりよいクルマを目指した結果「没個性化」した4台の行く末 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■個性的で過去人気だったが、現在は普通すぎて人気が薄れたクルマを紹介

■昔を知るユーザーからは不評でも新規ユーザーにはウケがいい場合もある

■大幅な路線変更は受け入れられるまでに時間が掛かるケースも多い

新規ユーザーを取るか従来のユーザーを取るかでデザインが割れる

 性能や装備の面ではダメなところ、もっと良くして欲しいところはたくさんあるのに、デザインや全体の雰囲気が個性的で、ほかに代わるクルマがないから、という理由で人気のクルマはけっこうあるものです。
でも、人気が出るといろんなタイプのユーザーが乗ることになり、「ここがダメ」という部分を声高に言う人も多くなります。メーカー側も、「次はもっといいクルマにしなければ」という気持ちで開発するわけなので、ユーザーの声を真摯に受け止め、ダメなところを改善します。

 するとどうしたことか、あんなに輝いていた個性は影を潜め、どこにでもあるような、単に優等生のクルマになってしまうということが多々あります。今回はそんな、いいクルマになったばっかりに唯一無二の個性が薄れてしまったという声が聞かれるクルマたちをピックアップしました。

 1台目は、2000年に彗星の如く登場したコンパクトSUV、日産エクストレイル。雪山や泥道をズンズン駆けていくワイルドなCMが記憶に残る人も多いことでしょう。初代エクストレイルは「タフギア」をコンセプトとして、若い世代がとことん遊び倒す相棒のようなSUVとして登場し、そのギア感が実際にスノボやサーフィンなどを趣味とする若者たちを中心に大ウケ。手頃な価格や、濡れた衣類で座っても大丈夫な撥水加工など、考えられた使い勝手も大好評で、ファミリーカーとしても引っ張りだこだったのでした。

 ところがその後、マイナーチェンジやフルモデルチェンジを繰り返すうちに、デザインはどんどんプレミアム志向に。日産が新しいデザインランゲージを生み出し、そのひとつであるVモーショングリルなどを採用していますが、初代のカジュアルなタフギア感はほとんど薄れてしまいました。

 プロパイロットが搭載されたり、走行性能や使い勝手はかなり進化したものの、そのせいで強豪ライバルとの差別化が弱くなってしまったとも言えます。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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