この記事をまとめると
■中古車を見ていると「ベース車」と表記されたものがある
■「ベース車」とは販売店側が手を加えていない個体のこと
■存在意義やメリットについて解説する
価格高騰の影響はベース車にも波及
中古車の物件を見ていると目にするのが、ベース車という表記。旧車に多いが、1990年代のクルマでも付いていることがある。何のベースなのか?
一見するとわからないが、旧車であればレストアベースを指し、新しめのクルマであれば、仕上げるためのベースのクルマ。なにもしないでそのままということで、つまり現状販売と同じ意味だ。
旧車の場合はこのベース車を買って、自分で仕上げるもよし、買ったところで別途相談して仕上げてもらうもよし。もちろんほかの業者に依頼してもいい。なぜ仕上げたうえで売らないかというと、いろいろと理由はあって、まず自分でできるから、素の状態で安く売ってほしいというもの。自分でやらないにしても、元の状態を知ったうえでレストアをしたいという人もいる。レストアしてしまえば、ベースの状態はわからなくなってしまう、つまりごまかされるのが不安というのが背景にある。
また同じ店でベース車を購入してレストアをする場合でも、どれだけレストアに費用がかけられるかを購入時に打ち合わせできるので、レストア済み●●●万円ですと言われるよりも気分的にはすっきりする。ただ、この場合、ごまかしはききにくくなるので、作業に自信のある店でないとこのような方法は取っていないことが多い。もしくはたまたま仕入れたクルマをベース車として販売するだけで、そもそもレストアはできないので、ほかでしてくれということもある。一見すると無責任に見えるが、無理して作業しないというのは好感だ。
肝心のベース車の内容というか、レベルはまちまちだが、最近の旧車価格の高騰の影響はベース車にも波及していて、こんなボロいのベースになるの? というものや、ゴミレベルといったものもあったりする。やろうと思えばどんな状態でもベースになるわけで、線引きは難しいところだ。
一方、最近のクルマでは、整備などはせずにそのまま納車するという意味で、メカ部分さえしっかりしていれば、あとは自分できれいにするからいいといったお客さん向けだ。ただ、ものによっては本当に汚いものもあって、中古車のベースってこんなもんなのか、と驚くこともある。
いずれにしても、チャンとする前の状態だからベース車なので、一般的なユーザーには関係ないものなのかもしれない。