恐るべき弱肉強食の世界! バカ売れジャンルがゆえに厳しい競争で「消えた」ミニバンたち (1/2ページ)

この記事をまとめると

◼︎今では絶版となったミニバンをプレイバック

◼︎人気モデルも多く、今でも乗り続けている人が多い

◼︎最終モデルなどは最近まで売っていたのでまだまだ実用に耐える

ひとつの時代を作った懐かしいミニバンを振り返る

 2022年は再びミニバンが熱い1年になる。というのも、1月に発売されたMクラスボックス型ミニバンのトヨタ・ノア&ヴォクシーに続き、春にはホンダ・ステップワゴンの新型が登場。そして年内には日産セレナもフルモデルチェンジされるというから、まさにミニバン戦国時代再び!! ということになりそうなのである。

 そんなミニバンの現在地では、トヨタ・アルファードが圧倒的人気。高級ミニバンを望む一般ユーザーだけでなく、社用車、ハイヤー、VIP&芸能人御用達車としての需要も絶大だからである。もちろん、コンパクトミニバンの人気も衰えず、ホンダ・フリード、トヨタ・シエンタも安定した人気を誇っている。

 が、過去のミニバンブームの最中、あるいはそれ以前にあったミニバンでも、今は昔。消滅してしまったミニバンも少なくない。なかには、なくなって本当に残念に思えるミニバンもあったりする。そこで、今回は過去にあった、今では消滅してしまったミニバンたちを紹介したい。その多くは、今でも中古車で手に入るから、気になったらぜひチェックしてほしい。

 その筆頭が、今でも街中などで見かける機会も多い”天才たまご”のトヨタ・エスティマだ。ノア&ヴォクシーとアルファード&ヴェルファイアの中間に位置するミニバンであった。注目すべきは最終型となった3代目で、エスティマらしいデザイン性あるスタイリッシュさと上級感を備え、キャプテンシートの2列目席は現アルファード同様のリラックスキャプテンシートを採用。

 中寄せ&ロングスライドさせることで、膝まわり空間に約790mmものスペースが出現。デザイン優先のスタイリングゆえ、車体前方の見切り性はよくなかったものの、HVモデルもあり、一躍、トヨタのヒット作となっていた。3代目は2006年から2020年まで製造され、とくに2016年のビッグマイナーチェンジでは、一段とスタイリッシュに見える2トーンカラーのボディを用意するとともに、走りも一新。当時の筆者の試乗リポートでは、「パフォーマンスダンパーの追加や足まわり、EPSに及ぶ大改良の結果、とくに中高速域でのステアリングの応答性、リニア感が俄然高まり、乗り心地も摩擦を低減した新バルブ採用のダンパーがすっきりスムースに動き、路面を問わず俄然、快適になっている。操縦性は穏やかに躾けられているが、山道やカーブでも腰高感は皆無に近く、電気式4WDシステム=E-FOURならではの安定感の高さを存分に味わえる」と記されている。

 トヨタのミニバン開発陣によれば、アルファードやノア&ヴォクシーが成功した理由のひとつに、余裕ある1400mmの室内高があり、低全高のエスティマは室内高が1255mmしかなく、室内空間のゆとり、ミニバンらしさで敵わなかった。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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