走り出す前の動作でも「異変」はわかる! 家族が高齢者に「免許返納」を促すべき「チェックポイント」とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■高齢者ドライバーが免許を返納するタイミングを解説

■動作も当然だが、交通ルールを理解していることが大前提

■サポカーに頼ればいいという思考はやめた方が無難だ

高齢者ドライバーが運転を続けていいと境界線とは

 高齢者がいつ運転免許証を返納するか、時期をはかるのは難しい。自ら決意することは、よほどの勇気がいる。家族との話し合いのなかで、クルマに代わる移動手段の情報収集など含め、時間をかけて納得していくしかないだろう。

 1つの判断材料として、運転者自らのみならず、家族の目から見た運転操作への気付きとして、いくつか参考になることがあるかもしれない。

 まず、教習所で教わったとおり、クルマに乗り込むところから安全に配慮しているかどうかだ。運転席のドアを開けるとき、駐車場ではクルマの周囲に注意が払われているか、路上であれば後続車などの存在を確認しているか、そうした気持ちの余裕を持てているかは、その後の運転操作を含め重要なことだ。急いで突然ドアを開けてしまうと、接触などを起こす可能性がある。高齢者は視野も狭まっており、思わぬところに人や物があったりする。乗車前の急かされているような様子に、運転することへの危うさを予見することはできるだろう。

 次に、運転姿勢を正しくとっているか、ルームミラーやドアミラーの見え方を確認したか、そうした準備もないがしろにしていると、いざというときの安全確認ができなくなる。鉄道の運転士や、プラットフォームの駅員などが安全確認のために行っている、指差し確認を採り入れるのも一つ安全確保に役立つかもしれない。

 実際に指を差してやれば一番いいが、そうでなくても心の内で指差し確認を行うように、一つひとつの準備動作を的確に行っていくことで、運転への準備が整い、また運転者自身の安全運転への意識を再確認することにつながる。

 走りだす際には、ウィンカーで合図を出しているか。改めて目視やミラーなどでクルマの周囲の安全確認をしてからアクセルペダルを踏んでいるか。いきなり速度を上げるような運転になっていないか。

 ゆっくり走り出すことも、運転への準備運動といえるだろう。そのうえで、信号の見落としはないか。一時停止では、停止線できちんと一旦停止し、数秒止まってから発進しているか。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター

愛車
日産サクラ
趣味
乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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