温度に比例して能力も低下する
どんなにクルマが進化しようとも、今のところはバッテリーがないとエンジンはスタートできない。AT全盛だけに、MTのように押しがけもできないし。そういう意味では、どんなクルマも電気がないと走ることすらできない電気自動車だ。
そんな要のバッテリー。どんなニッカドやリチウムなど、どんな形式だろうが、化学反応を利用しているので基本的には寒さに弱い。今回は従来からの鉛バッテリーに絞って解説しよう。仕組みとしては簡単で、希硫酸と鉛の板を使用しての化学反応で、理科の時間に習った電解を行なうことで、充電したり、放電したりできる。
こちらも化学反応を利用しているので寒さに弱い。目安としては気温25度での性能を100とした場合、10度下がるごとに性能も10下がる。0度になったとすると、75ということで、なにもしないのに3/4になってしまうのだ。新品での話しだから、劣化していればもっと下がるだろう。
対策だが、今やバッテリーはメンテナンスフリー化が進んでいる。以前励行していた液量の確認や補充も不要なことも多いが、もちろんできるようならする。また丸い窓の形をした簡易インジケータが付いていれば、状態についてだいたいの目安を知ることができる。
メンテナンスフリーとなってしまえば、定期交換が重要になってくるのだが、その目安は箱などに書いてある保証期間を目安にすればいい。だいたい1.5倍で交換すれば、トラブルも防げるだろう。
もしスキー場などの寒冷地に出かけてバッテリーが弱っていたら、応急的な処置としてバッテリーにお湯をかけて温めてやる。沸騰したお湯ではダメージを与えてしまうので、60度ぐらいで十分。かけると内部が活性化されて、放電力も高まり、スターターも強く回るようになる。
ちなみに勘違いしているひとが多いが、バッテリーは基本的にスターターを回す電気を供給するためにある。つまりエンジンが掛かってしまえば、あとは発電機からの電気でまかなえる。
ただ、最近は電装品が大量に付いているので、発電不足になり、バッテリーの電気を使ったり、アイドリングストップ中はバッテリーの電気を使うなど、バッテリーの負担はかなり増している。それだけに、定期交換も含めたメンテナンスをしっかりと行なってやろう。