この記事をまとめると
◼︎日本メーカー各社で初のFF駆動のクルマをピックアップ
◼︎今では当たり前の駆動方式でも苦労の連続だった
◼︎技術の発展により、今では何も不自由なく使用できるようになっている
今では当たり前のFF駆動も当時は苦労の連続だった
世界的にはフォルクスワーゲンの初代ゴルフが先鞭をつけたFF&2ボックスというスタイル。FFにすることで、フロア下を貫くプロペラシャフトやラゲッジスペース下のリヤデフが不要になって、実用車として非常に優れたパッケージングを実現できるというのが大きなメリットだ。ただ、初代ゴルフに始まったわけではなく、日本車も含めて個々のメーカーでトライされていたもので、まずは主なメーカーの初FF車を見てみよう。
1)トヨタ ターセル/コルサ
ターセル、コルサ、カローラIIはFFハッチバック3兄弟としてタコツーの愛称で親しまれた。1978年に登場した初代ターセル&コルサでFFを採用していて、これがトヨタ初となる。
ただ、当時はFR全盛で、シャーシの共有化もあって縦置きとするなど、FFのメリットを活かしきれず、販売面はパッとしなかった。その後、カローラ、カムリなど続々とFFになっていく端緒にはなった。
2)日産 チェリー
1970年に発売されたのが日産初のFFとなるチェリーで、2ドア/4ドアのセダンに加えて、クーペのホットモデルX1-Rはツインキャブやオーバーフェンダーなどを装着していて、レースでも活躍した名車でもある。
初期のFFゆえ、走りのクセは強かった。
3)スバル スバル1000
スバル360の次に小型車への進出としてリリースされたのが、1966年のスバル1000でFFを先駆けて採用した意欲作だった。レイアウト自体は現在と同じで、縦置きでその後ろにミッションが付いていた。
若干、室内スペースに対しては不利だったが、到来しつつあった高速時代を見据えた、安定した走りをウリとしていた。