この記事をまとめると
■1990年代から水素を使った燃料電池車は存在しており市販化されていた
■航続距離の短さや水素ステーションの少なさで普及はあまりしなかった
■当時は技術がまだ未確立でパワーや燃費面がまだまだ課題だった
意外と歴史が長い水素を使った燃料電池車
FCV、つまり水素を使った燃料電池車はトヨタのMIRAIやホンダのクラリティが話題になっただけに、最近登場した最新車両のように思える。間違ってはいないが、けっこう歴史は長く、さまざまなモデルが登場した。もちろん実用化というか、広く市販化にはつながっていないとはいえ、過去があるから今がある。進化に欠かせない存在として記憶にとどめたい。
1)ホンダ FCX-V1
1990年代から燃料電池車の研究を行ってきたホンダ。2001年に日米でリースという形ながら、世界初で販売化したのがこちら。
ボディはコンパクトカーのロゴのようなデザインで、システム的には燃料電池とキャパシタを組み合わせたものだった。販売されたのは20台ほどだったが、意義は大きかった。
2)トヨタ FCHV
ホンダに遅れること約9カ月、同じ2001年に登場したのがSUVのクルーガーに搭載したトヨタの燃料電池車。こちらも正確にはバッテリーも組み合わせたものとなる。一充填あたり330kmだった。
ただ、当時は水素が低温で凍ってしまうという問題は解決できず、経済産業省での運用を見に行ったことがあるが、温度計が駐車場にぶら下がっていたのが印象的だった。また、水素ステーションが完備されておらず、トラックで移動式の充填装置を運んできていた。ちなみにドライバーによれば「怖くて行くのは近所だけ」とのことで、持ち腐れ感はあった。