この記事をまとめると
■2003年に発表された8Cコンペティツィオーネはほぼそのままのスタイルで2006年に発売
■4.7リッターV8は最高出力450馬力で最大トルクは470N・m
■500代の販売枠は早々に埋まり、現在ではコレクターズアイテムとなっている
ショーモデルほぼそのままに市販された8Cコンペティツィオーネ
アルファロメオが、「8Cコンペティツィオーネ」と呼ばれるモデルをワールドプレミアしたのは、2003年のフランクフルト・ショーでのこと。ただしこの時点では、この8Cコンペティツィオーネは、まだコンセプトカーとしてデビューしたにすぎず、当時のアルファロメオ、そしてフィアット・グループの業績不振から考えれば、それは現実のものになるのかどうかは、誰もがそれを心配する状況だった。
だがそれからほぼ3年が経過し、2006年のジュネーブ・ショーで再びその姿を現した8Cコンペティツィオーネを前に、当時アルファロメオを率いる立場にあったアントニオオ・バルヴァッレは、「8Cコンペティツィオーネを世に送り出すことは自分自身にとって大きな夢であり、また使命でもある」とコメント。
それは量産モデルであるのか限定車であるのかは分からなかったが、近い将来8Cコンペティツィオーネの販売が開始されることは、この言葉に代えて宣言されたのである。
そして正式なワールドプレミアは2006年のパリ・サロン。我々はずいぶん長い時間、その誕生を待たされたことになる。
そもそも8Cコンペティツィオーネという車名は、ヴィットリオ・ヤーノの設計による8気筒ターボエンジンを搭載したP2に始まるGPマシンである「8C」と、第二次世界大戦後に1949年と1950年のミッレミリアを制した「6Cコンペティツィオーネ」の両モデルを意識した名を持つものだが、その造形はそれらとは異なり、優美なクーペスタイルにまとめられている。スーパースポーツのスタイルというよりも、むしろハイスピードなクルージングが似合うそのスタイル。