この記事をまとめると
■日本メーカーのディーラーが海外メーカーの輸入車の販売代行をしていたことがあった
■業務提携をしていた海外メーカーの車両をそのまま販売する例が多かった
■自社にないカテゴリーのクルマを販売することで新規客を呼び込むなどのメリットもあった
日本車のディーラーで輸入車が買える時代があった
自動車の販売網整備というのは大変なもので、ディーラーの建物、営業スタッフ、メカニックなどを用意しつつ、教育システムも必要だったりする。それで売れなかったりした日には目も当てられない。そのような背景もあって行われていたのが、日本メーカーのディーラーでの輸入車販売だ。もちろんOEMではなく、取り扱い車種として、海外メーカーのモデルが用意されていたことがあるのだ。販売の代行目的だけでなく、その背景にはさまざまな思惑があったが、いずれにしても堂々とディーラーで扱われていた。
1)スズキ:プジョー
1990年前後にはプジョーをスズキのディーラーで販売していた。モデルとしては大ヒットした205や405を扱っていた。ちなみにプジョーは旧ローバージャパンのディーラーでも売っていた。
2)スズキ:GM
スズキは一時期、GMと提携していたのはご存じの方も多いだろう。スズキと共同開発したシボレー・クルーズなどが登場したが、シボレー車自体もアリーナ店で販売。トレイルブレーザーなどが販売された。部品に関しても輸入業務をスズキが行っていた。
3)マツダ:シトロエン
バブルの頃、マツダは5チャンネル化に邁進していたのは有名だが、その一環としてシトロエンも輸入して販売を行っていた。名車BXやAXなどで、そのほかにも西武自動車が輸入販売権を持っていて、少々複雑だった。1995年にはシトロエンの販売は両社とも終了しており、プジョー・ジャポンが設立された。