「無音」でも「どんな音」でも法的には問題なし! それでもウインカーから「カチカチ音」がするワケ (1/2ページ)

この記事をまとめると

■ウインカーを作動すると「カチカチ」という音がする

■昔は装置の中のリレーの音として出てしまうものだった

■法的には音がなくても問題はない

もともとは装置が作動するとき「出てしまう」音だった

 ターンシグナルレバー(ウインカーレバー)を操作して、左右いずれかに曲がる意思表示をした際、カチカチとウインカーの作動音が聞こえてくる。さて、この作動音だが、なぜ音がするのか、考えたことがあるだろうか? 法令で定められているから?

 ウインカーの作動音について、道路運送車両法を調べてみたところ、とくに、どんな音を発しなければならないとか、音を発しなければいけないといった規定は見当たらなかった。つまり、作動音どんな音でもよく、逆に発しなくもよい、と解釈できるものだった。

 では、なぜ作動音がするのか、という理由だが、これは方向指示器の発達のなかで生まれた音だった。ご記憶の方もいるかもしれないが、初期の方向指示器は「腕木式」と呼ばれるスタイルで、進行方向を変えようとした場合、内照式の指示器、左右のいずれかを振り上げることで、ドライバーの意図を周辺車両や人に知らせる方式だった。振り出した指示器の形が、人間が腕を振り上げたような形に見えることから、腕木式という名前がついたものである。

 この方式から進化した形式が、ウインカーレバーの操作によって、左右に設けたランプのいずれかを点滅させ、進みたい方向を示す現在の方式である。この際、ランプを規則正しく点滅させるために使われた機器がウインカーリレーで、ランプ点滅のため作動電流を一定のリズムで断続する作動音が「カチカチ」という音だったのである。


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