この記事をまとめると
■ブレーキの強化を図ったら合わせてタイヤの銘柄や寸法も見直したい
■駆動方式の違いによりブレーキにかかる負担も大きく変わる
■ブレーキを強化するならタイヤ性能と車両の前後重量配分も考えて資金を上手に配分したい
ブレーキをただ強化しただけでは宝の持ち腐れになる場合もある
ブレーキを有名銘柄に大枚をはたいて取り換えたといいながら、装着しているタイヤは格安の品であったという笑い話がある。予算には限りがあるのだから、どこかで節約しなければならない実情はわかる。しかし、それではせっかくの高性能ブレーキシステムも宝の持ち腐れだ。
クルマと路面の関係を結び付ける唯一の部品がタイヤだ。ブレーキに限らず、タイヤの性能ひとつで、操縦安定性はもちろん、乗り心地や騒音といった快適性も左右される。したがって、クルマの走行性能は、タイヤにはじまりタイヤに終わるといっても過言ではない。
また、タイヤは単に扁平にして接地面積が増えればいいということでもない。サスペンション形式やその設計(サスペンションジオメトリー)、タイヤの位置決め(ホイールアライメント)が適切でなければ、せっかくの接地面がきちんと路面と接しておらず、部分的にしかグリップを発揮できないことも起こる。それによって、接地面(トレッド)の偏摩耗が進み、タイヤ交換時期を早めてしまい、経済的負担を増やすことにもつながりかねない。
したがって、ブレーキ性能を上げたいというとき、ブレーキ部品だけを高性能にするのではなく、タイヤをどの銘柄にするのか、タイヤ寸法をどうするのかも同時に検討する必要がある。