この記事をまとめると
◼︎試算ではHEV3台のCO2削減効果は、BEV1台とほぼ同等
◼︎BEV26万台分の電池で550万台分のCO2削減を進めてきた計算になる
◼︎新型の電動車「bZ4X」を2022年中に投入する予定だ
トヨタ独自の強みを生かして独自のカーボンニュートラルを目指す
トヨタには、GRヤリスやスープラ、GR86などのスポーツカーが目立つ一方で、多くの車種にハイブリッドが設定されているのは承知の通りだ。
そんなトヨタが、9月7日に「今後の電池・カーボンニュートラル」に関する説明会を開催し、以下のように述べた。
「世界では、CO2濃度は産業革命以降、増加し続けており、人類が排出するCO2排出量をトータルで削減することに、もはや一刻の猶予なく、自動車産業で言えば、電動化を進める事は、カーボンニュートラルに近づくための効果的な方法のひとつで、たとえば我々の試算ではHEV3台のCO2削減効果は、BEV1台とほぼ同等という結果が出ている。しかし、現時点では比較的HEVの方が安価に提供できるので再生可能エネルギーがこれから普及していく地域ではHEVを活用した電動化などもCO2削減に効果的だと思われます。一方で再生可能エネルギーが豊富な地域ではBEVやFCEVなどのZEV(ゼロエミッションヴィークル)の普及がより効果的だと考えています」と語った。
欧州が進めるBHV化の流れはもちろん良い取り組みではあるが、CO2排出量のことを考えると、トヨタが得意としてきた従来のHEVの方が効果が高いと言えるとのこと。
また、以下のようにも述べている。
「トヨタは1997年に初代プリウスを導入以降、性能向上もはかりつつ、PHEV、FCEV、BEVを投入してきた。その中でHEVは累計1810万台ほど販売してきている。先ほども申した通り、HEV3台分のCO2排出量削減効果がBEV1台分に匹敵するので、これまで販売したHEVは、約550万台のBEVと同等と言える。今まで作ったHEV用電池の量は、約26万台のBEVに搭載する電池と同じです。つまり、BEV26万台分の電池で550万台分のCO2削減を進めてきたと言える」
もちろん、どのパワーユニットも決してダメなわけでなく、各ユニットそれぞれの長所があるので、トヨタでは、今後もPHEV、FCEV、BEVの開発、製造に注力していくとのことだ。