この記事をまとめると
■ホンダはなぜ高性能車にもFFを採用するのかについて考察する
■ホンダは「マンマキシマム・メカニズムミニマム」を重視している
■FFを突き詰めた究極の姿をタイプRに見ることができる
FFは「マンマキシマム・メカニズムミニマム」の構想にうってつけ
ホンダのクルマづくりは、シビック誕生のころから、「マンマキシマム・メカニズムミニマム」であることを重視している。そこから、シビック・タイプRのような車種も、当然ながら標準車と同様の前輪駆動(FWD)になっている。
そもそも、2輪車(エンジン付き自転車の次にバイク)の製造から事業をはじめたホンダは、エンジンと変速機が一体の機構に親しんできた。その構想を基に4輪車を考えれば、フロントエンジン・フロントドライブ(FF)か、リヤエンジン・リヤドライブ(RR)のどちらかとなっていく。また空冷式のエンジンを使っていたこともあり、車体の前にエンジンを搭載したほうが冷却しやすいと考えたかもしれない。
もちろん海外には、フォルクスワーゲンのタイプ1(通称ビートル)や、フィアット500のようなRRの例もある。だが、荷物もそれなりに詰める実用性を求めたら、FFが合理的だ。英国のミニや、ビートルの後継となるゴルフはFFだ。そしてそれは、マンマキシマム・メカニズムミニマムの構想にもうってつけである。
こうして、歴代ホンダ車はFWDを基本として車種を増やしてきた。