「4ポッド・6ポッド」に「片押し・対向」! ゴツければ最高なワケじゃないディスクブレーキとは (1/2ページ)

動力性能の高いクルマほどブレーキ容量が必要になる

 スポーツモデルのブレーキには、対向式の4ポットキャリパーを装着している車種が多く、なかにはR35GT-RやスバルのWRX STI、レクサスLC500、F SPORTのように、6ポットキャリパーを純正採用しているクルマもある。

 ではなぜ、ハイパフォーマンスカーほどポット数の多いブレーキキャリパーを採用するのか。

 それは車重が重いクルマ、動力性能の高いクルマほど、ブレーキ容量が必要になるからだ。

 重くて速いクルマを確実に減速させるには、ブレーキキャリパーのピストン径を大きくして、力強くブレーキパッドをローターに押しつけなければならないが、ホイール内の限られたスペースに大径ピストンのキャリパーを入れる余地はない。そこでピストン径を大きくする代わりに数を増やすというアイディアが生まれた。

 もうひとつ、ポット数を増やすことでパッド大きくできるのも大事な要素だ。

 速くて重たいクルマを止めるには、パッドの面積を大きくしないとパッドが持たない。

 パッドの面積を増やすには、直径方向か円周方向に大型化するしかないが、タイヤの外径が決まっている以上、直径方向にパッドを大型化するのは難しい。

 したがって円周方向に長いパッドが用いられるわけだが、長細いパッドをひとつのピストンで押すと、ピストンに近い部分には大きな力がかかるが、遠い部分の圧力は弱くなってしまう。長細いパッドを均一にローターに当てるには、複数のピストンで押すのがベストなので、ハイパフォーマンスカーほど、ポット数の多いキャリパーを装着しているというわけだ。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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