クルマを維持するうえで油温の管理は大事な要素
夏真っ盛りになって、毎日猛暑日が続くと、クルマ好きとしては水温、油温の高さが気になるところ。
とはいえ、最近はそもそも水温計すらなく、低水温表示灯と高水温警告灯だけがついているクルマも増えてきているが、走行中は水温も油温も適正な温度を保っていることが非常に重要。
水温計ですら省かれている時代なので、油温にはもっとピンとこない人もいるだろうが、油温の管理もじつはとても大事な要素のひとつ。
というのもエンジン内部のパーツやミッション、デフ内の金属パーツは、基本的にオイルを介しての非接触状態で作動し、流体潤滑しているからだ。
街乗りでも毎分2000~3000回転回っているエンジン内部で、金属同士が直接接触してしまったら、摩擦であっという間に高温になり焼き付きを起こしてしまうはず。
そうならないように、オイルには高温になっても潤滑性能が低下しないように粘度指数向上剤などの添加剤が入っていて、低温時にもオイルが固まらないように流動点硬化剤を加えている。
こうした添加剤のおかげで、夏でも冬でも安定した潤滑性能を保てているわけだが、いくら高性能な添加剤を入れても、あまり油温が上がりすぎると熱で添加剤の成分が分解され、潤滑性能が一気に失われ、油圧が低下、最悪油膜切れを起こしてエンジンをブローさせることになる……。