運転だけでなく使い勝手も抜群な隠れた装備たち
クルマ購入の鍵は女性が握る、と言われて久しいですが、もはや女性の意見はクルマそのものを変える威力を持っているようです。多くのクルマに装備されるようになった99%紫外線をカットするガラスや、室内を見えにくくするプライバシーガラス、助手席側にもライト付きのバニティミラーが備わるようになっているのは、女性の要望が強かったからこそ。今回はほかにもたくさん登場している、女性向けに考えられた装備たちをご紹介したいと思います。
1)前後スライド調整レバー
まず1つ目は、日産デイズ、三菱ekクロスの兄弟モデルに装備されている、運転席の前後スライド調整レバー。
これが、先代は座面のちょうど中央の位置にレバーが備わっていたのですが、女性が股の間に手を入れてレバーの操作をするのが恥ずかしい、イヤだと大不評。そこで新型では、足を開かなくても手が届く端の位置にレバーが取り付けられているんです。確かに、パンツスタイルの女性ならまだしも、スカートを履いた女性が足を開いてレバー操作するのは、もし誰かに見られたらイヤですよね。
ただそうした気遣いを実現した割には、座面の高さ調整がつかないこの2台。小柄な女性が適切な運転ポジションを取れるように、前後だけでなく上下にもシート調整ができるとなお良かったのに、と残念ではあります。
2)運転支援システム
2台目は、女性だけでなく男性にも車庫入れが下手な人はたくさんいるのですが、声をあげるのは女性が多いようで、車庫入れをアシストしてくれる運転支援システムも女性の意見を聞いて開発されている機能の1つです。近年で画期的だと思ったのは、トヨタ・ヤリスの「アドバンスト パーク」。
これは操作が簡単というのはもちろん、今までは白線がある駐車場でしか作動しなかったのに対して、あらかじめ位置を登録することで、自宅の駐車場など白線がないスペースへの車庫入れもアシストしてくれるのが優れもの。半信半疑で試してみたところ、白線があるところと同じように、すんなりと車庫入れが完了しました。
ただこれも、出かけた先のすべての駐車場で作動させることは、おそらく不可能。いつも行く場所が決まっていて、そこをすべて登録して使える人ならいいかもしれませんが、混み合っていて、スペースを検知していたら後ろが大渋滞になってしまうような場面もあるでしょうし、この機能を使っているうちに車庫入れが自分でも上手にできるようになる、ということもないと思うのです。やっぱり車庫入れが苦手な人は、腹を括って最初に猛特訓して、なんのアシストがなくても収められるようにすべきだと感じています。