この記事をまとめると
■メルセデスベンツはAから始まりSへとアルファベットで車格を表してる
■A・B・CはあるがDやFが抜けている
■車格ではなくDはディーゼル、Fはコンセプトカーに用いられるなどしている
もともとはSとそれより少し小さいコンパクトしかなかった
メルセデス・ベンツの現在の車種構成をみると、Aクラスにはじまり、B、C、E、Sの順で、車格が次第に大きくなり、ほかに、GクラスとVクラス、またSLクラスがある。
A、B、Cと続いたあと、Dが抜けてEとなり、そのあとFがなく、Gはあるが、そこから一気にSになる。なぜ、アルファベットに抜けがあるのかとの疑問があるかもしれない。
しかし、そもそもメルセデス・ベンツは、高級4ドアセダンとしてのSがあり、それに次ぐやや小型としてコンパクトと呼ばれる車種がある簡素な構成だった。
いまは、SクラスもS450というような呼び名になっているが、当時は450Sというような呼び方で、450とは排気量が4.5リッターのV型8気筒エンジンを搭載するSクラスの意味だった。また、コンパクトと位置付けられた小型車は、単に250や280という呼び名で、それぞれ数字は2.5リッターとか2.8リッターという排気量を表した。その時代、Eは、キャブレター仕様ではなく燃料噴射である印でもあった。250Eや450SEというように。数字のあとにDが付くと、ディーゼルエンジン車を指した。
メルセデス・ベンツは、元来高級車メーカーとしての歩みを続けてきた。ガソリンエンジン自動車を発明したのはカール・ベンツであり、その時代にクルマに乗ろうという人は富裕層しかなかった。メルセデスという車名も、ゴットリープ・ダイムラーが設立したダイムラー社時代に、裕福な顧客の娘の名を冠したことにはじまる。そうすることで、新車開発資金を得たのだ。
のちに、ベンツ社とダイムラー社は合併し、ダイムラー・ベンツ社となり、販売するクルマがメルセデスとなった。そして、グローサー・メルセデス(偉大なメルセデス)などに代表されるように、国家元首や王族そして富裕層のクルマとしての歴史を積み上げている。昭和天皇の御料車として、グローサー・メルセデスが使われた時代がある。