半導体不足だけじゃなかった! 世界最大の産油国を襲った「大寒波」が日本の納期遅延に与える影響とは (1/2ページ)

夏は30度を超える南部地方がマイナス30度になる異常事態

 ニュースなどで大きな話題になっているのが、自動車メーカーでの生産ラインの停止だろう。ほぼすべてのメーカーが半導体不足などで、操業を断続的ではあるが停止しており、生産に遅延が出ている。

 新型コロナの影響かと思いきや、一番の要因とされるのがアメリカを襲った寒波だ。アメリカで寒波なんて、北のほうはかなり寒いし、毎年起こっているだろうと思いきや、南部を襲っているのが今回の特徴。中心となるテキサスで見てみると、西部劇やカウボーイのイメージがあって、暑そうな感じがする。ただ、データ的には東京ぐらいの感じで、夏の最高気温は30度ちょっとで、冬の最低気温は0度を下まわることはない。

 いずれにしても大寒波がやってくるような地域でないのだが、2月16日に発生した問題の寒波は北極から流れてきたもので、平均気温よりも30度も低くなったり、一番低いところで、なんと最低気温マイナス30度を記録していて、かなりの異常事態といっていい。それで気象衛星が誤作動して、アメリカ南部全体が曇りと判断してしまったほど。

 ここまでが気象的な経緯で、産業への影響としては、大規模停電と計画停電となって工場が止まってしまった。エリア内に半導体の工場が多くあったことから、産業の米とも呼ばれる半導体の生産が止まって、今や大量に使っているクルマへと影響が及んだというわけだ。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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