スーパーカーからコンパクトカーまで多種多様なマシンが参戦
世界最速のGTレースと謳われるGT500クラスに加えて、豊富な車種バリエーションを誇るGT300クラスの2クラスが設定されている「スーパーGT」は、国内最大級の人気を誇るシリーズとして知られるが、先日の富士24時間レースで注目を集めた「スーパー耐久」も個性的で、日本独自のハコ車の耐久レースとして独自の魅力を持っている。
まず、スーパー耐久の特徴のひとつが、独自のレギュレーションを採用していることだろう。スーパーGTのGT500クラスはクラス1規定を採用し、GT300クラスは国際規定であるGT3と日本独自のGT300規定(旧JAF-GT規定)およびGT300MC規定(旧JAF-GT MC規定)を採用しているが、スーパー耐久はGT3、GT4、TCRといった国際規定に加えて、JAFおよびSTO(スーパー耐久機構)が設定した独自の規定を採用している。
さらに排気量や駆動方式に応じて、クラスを細分化することで、2021年は合計9つのクラスが設定されており、国際規定の定番スーパーカーから日本独自のコンパクトカーまで、まさにスーパー耐久はさまざまなマシンが参戦するシリーズとなっている。
なかでも、注目を集めているのが、2021年に新たに設定されたST-Qクラスだといえるだろう。同クラスは“STOが参加を認めたメーカー開発車両または各クラスに該当しない車両”を対象としており、第3戦の富士24時間レースでトヨタの水素エンジン搭載車「カローラH2コンセプト」がデビューしたことは記憶に新しい。さらに次期GT4車両ともいえる開発モデルの「トヨタGRスープラ」が参戦するなど、リリース前のマシンが登場したことで話題を集めた。
また、“ST2車両からST5車両以外の車両”を対象にしたST-1クラスもスーパー耐久ならではのクラスで、トヨタGRスープラのほか、日本では発売前のモデルとなる「KTM X-BOW GTX」やBMWのカスタマーレース用エントリーモデルとしてリリースされている「BMW M2CS Racing」がエントリー。他のレースシーンでは見ることができないマシンが参戦していることもスーパー耐久の特徴といえるだろう。