もう一度道交法を確認して取り締まりの対象にならない正しい運用を
2006年から駐車違反の取り締まりが民間に委託され、警察官ではなく駐車監視員が担うようになり、駐車時間の長短に関わらず、ビジネスとして問答無用に取り締まるようになり、不寛容社会のひとつ象徴にもなっている(とんでもないビジネスがあったもんだ)。
もちろん違反をしないことが大前提だが、うっかりして駐車禁止の切符を切られて泣かないためには、駐停車に関する基本ルールをもう一度よく確認しておく必要がある。まず「駐車」の定義の確認。
道路交通法第二条 十八によると「駐車」とは
・継続的に停止すること
・運転者が車両などを離れてただちに運転できないこと。
※荷物の積卸しのための停止で5分を超えない時間内のもの 及び人の乗降のための停止を除く
「停車」とは
・車両等が停止することで駐車以外のもの
そして、下記の場所に「駐車」をすると、駐車禁止の対象になる。
①人の乗降、貨物の積卸し、駐車、自動車の格納若しくは修理のため道路外に設けられた施設や、場所の道路に接する自動車用の出入口から3メートル以内の部分
②道路工事が行なわれている場合における当該工事区域の側端から5メートル以内の部分
③消防用機械器具の置場若しくは消防用防火水槽の側端や、これらの道路に接する出入口から5メートル以内の部分
④消火栓、指定消防水利の標識が設けられている位置や、消防用防火水槽の吸水口若しくは吸管投入孔から5メートル以内の部分
⑤火災報知機から1メートル以内の部分
⑥道路標識や道路標示にて駐車禁止を指定している場所
加えて、下記の場所では、「駐車」はもちろん「停車」もNG(=駐停車禁止)
①交差点、横断歩道、自転車横断帯、踏切、軌道敷内、坂の頂上付近、勾配の急な坂、トンネル
② 交差点の側端や、道路のまがりかどから5メートル以内の部分
③ 横断歩道や、自転車横断帯の前後の側端からそれぞれ前後に5メートル以内の部分
④安全地帯が設けられている道路の当該安全地帯の左側の部分や、当該部分の前後の側端からそれぞれ前後に10メートル以内の部分
⑤ 乗合自動車、トロリーバス、路面電車の停留場を表示する標示柱や標示板が設けられている位置から10メートル以内の部分(当該停留所や、停留場に係る運行系統に属する乗合自動車、トロリーバス、路面電車の運行時間中に限る。)
⑥ 踏切の前後の側端からそれぞれ前後に10メートル以内の部分
⑦道路標識や道路標示にて駐停車禁止を指定している場所
ちなみに、「車両等が客待ち」、「荷待ち」、「貨物の積卸し」(5分以上)、「故障」なども、「駐車」になるので要注意。
実際には、運転手が車に乗っている限り、放置車両とはいえないので駐車監視員が取り締まることはないのだが、駐停車禁止場所では、上記のとおり、5分以内の荷物の積卸しのための停止でも違反になるので驚くしかない。
迷惑駐車の撲滅は大賛成だが、駐車禁止の取り締まりの対象者は、ルールはともかく一定のマナーは守っている人が大半というのが現状だ。制限速度などと合わせ、この駐停車禁止に関する法律も、もう少し実状にあったものにしないと、国民の遵法精神がかえって低下することにつながるだろう。