ローンにはディーラーと銀行で申し込む2タイプがある
資本主義社会において買い物というのは日常の行為ですが、クルマを買うというのは人生のなかでも、家に次いで高価な買い物だといわれます。
ネットオークションや特別に安い中古車であれば数万円での取引もあるでしょうが、多くの場合100万円単位で考えるのがマイカーを買うときの予算感ではないでしょうか。たしかに、その予算感は人生の中でも高額な買い物であることは間違いありません。
とはいえ、誰もがそれだけの予算をポンと用意できるわけではなく、多くのユーザーは36カ月~72カ月といった期間で返済するローンを利用してマイカーを手に入れています。
そしてローンには、大きくディーラーで申し込むタイプと銀行系のマイカーローンと呼ばれるサービスがあり、どちらを利用するか迷うという人も少なくないでしょう。はたして、 どちらがお得なのでしょうか?
ローンというのは借金を定期的に返していくというもので、そこには金利がつきます。つまり金利が安いほどトータルでの支払額は少なくなるわけで、一般論でいえば金利が安いほうを選ぶのが得策です。
そして、多くの場合において銀行系ローンのほうが金利は低くなっています。たとえば2020年のマイカーローンランキング(イー・ローン調べ)で1位となった「横浜銀行マイカーローン」の金利は0.9%~2.4%となっているほどです。
一方、たとえばホンダのディーラー系ローンの金利は3.5%と設定されています。可能であれば銀行でお金を借りて、自動車ディーラーなど販売店に支払うというカタチをとったほうがオトクになることが多いといえます。
銀行系ローンの課題は、そもそも借り入れできないケースがあることです。ディーラー系ローンでも同様ですが、ローンというのは借金ですから、定期収入があるだとか、過去に返済が滞った経験がないだとか、さまざまな条件をクリアしなければお金を借りることができません。その審査においてディーラー系よりも銀行系のほうが厳しい傾向にあるのは事実です。
仕組みを考えれば、それも納得で通常の銀行系ローンではユーザーがお金を借りて、それをディーラーに支払いますから、クルマの所有権はユーザーになりますし、担保や保証人も不要なケースが大半です。つまり、返済できないような人には貸せないというのが基本スタンスになります。
そうした審査において、事前に見積もりや注文書といった資料を提出するなど書類や手続きの手間がかかるのも銀行系ローンのデメリットといえます。ただし、最近ではオンラインで審査の申し込みができるところも増えていますから、スマートフォンやパソコンが利用できるユーザーであれば、かつてほど面倒には感じないかもしれません。
さて、ディーラー系ローンにおける最大の違いはクルマの所有権です。前述したように銀行系ローンで支払う場合、ディーラーとして現金一括で購入したのと同じ状態になりますから所有権はオーナーになりますが、ディーラー系ローンで購入した場合の所有権はディーラーとなっていることが大半です。ローンを完済しないと名義変更ができないため返済途中でクルマを売却するといったことが面倒になります。
また銀行系ローンでは繰り上げ返済といって、お金の余裕があるときに返済を早めることが可能ですが、ディーラー系ローンでは繰り上げ返済を認めていなかったり、その際に手数料が必要になったりするケースも少なくありません。いずれにしてもトータルでの支払額はディーラー系ローンのほうが多額になることがほとんどです。