【今さら聞けない】スポーツカーってどういうクルマ? (1/3ページ)

爽快感があれば物理的な速さは必ずしも必要ではない

「スポーツ」は、ラテン語のportare(ポルターレ=ものを運ぶ・移動する)に由来し、11世紀ごろ英語で「気晴らし」や「楽しみ」「遊ぶ」を意味するようになったと言われている。WEB CARTOP

 語源的に考えると、クルマはすべて人や物を運び、移動するツールなので、すべて「スポーツカー」とも言えなくもないし、もっと意地悪にいえば、スポーツするのはクルマではなく、人間という言い方もできる。

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 しかし、一般的には、運転自体を「楽しむ」クルマ、目的地に移動すること以上に、運転すること自体が目的になり得るクルマ=スポーツカーと考えればいいのではないだろうか。そうしたスポーツカーの要素として欠かせないのは、およそ下記の6点にまとめられる。

① 軽快な走り

②生理的に違和感のない特性

③ワクワク・ドキドキさせる味付け

④ひと目でスポーツカーとわかるスタイリング

⑤所有しているだけでもうれしいクルマ、ワインディングやサーキット以外でもドライブが楽しいクルマ

⑥道行く人、すれ違うクルマにも、一目置かれ、ある種の喜びを与えられるクルマ

 まず①の「軽快な走り」を実現するには、車体が軽くて、重心が低いことが重要。どんなにハイパフォーマンスなクルマでも、車重が1500㎏を超えると、軽快感は望めない……。また背が高いクルマも重心が高くなるので、スポーツカーとはいえない。WEB CARTOP

 次に②の「生理的に違和感のない特性」。これも非常に難しい。気持ちのいい走り、ドライビングプレジャーの高いクルマの理想として、よく「人馬一体の走り」というフレーズが使われるが、クルマに限らず、人と道具の関係は、どこまでいっても人間側がその道具の「事情」を尊重し、クルマやタイヤがどう動きたがっているか、に耳を傾け従うしかない。WEB CARTOP

 そうした視点で考えると、ドライビングプレジャーの高いクルマというのは、クルマの「事情」に自分を合わせることが苦にならないクルマ、もっといえば、クルマの「事情」を尊重していることが気にならない(気がつかない)クルマということになってくる。WEB CARTOP

 逆にいえば、どんなにサーキットのラップタイムが速くても、タイヤへの依存度が高く、電子制御がバリバリで、車体が重くて、重量バランスやディメンションがいい加減なクルマは、スポーツカーとはいえないということ。WEB CARTOP

③の「ワクワク・ドキドキ」も難しいが、基本的に自分の運転操作にクルマが素直に反応し、クルマと対話が楽しめること。また、コンマ1秒後の挙動がより正確に予測できることも、ドライビングプレジャーを左右する大事なファクターといえるだろう。WEB CARTOP


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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