タワーパーキング型と立てかけ型があるがどちらも壮観だ
高速道路を走っているとよく見かけるのが、トレーラーだ。トレーラーヘッドやトラクターと呼ばれる車両が、後ろに荷台を連結して引っ張っているのは壮観ですらある。最近は、人手不足対策として輸送力確保のため、ダンプのトレーラーも規制緩和で登場しているなど、色々な種類がある。引っ張るほうは同じで、付け替えることで、大きな積載量でも運べるし、さまざまな荷物に対応できるのがトレーラーの最大の特徴だ。
そのなかのひとつが、海上コンテナを運ぶためのシャシー。こちらも高速道路はもちろん、一番よく見かけるのが当然のことながら港周辺だ。運送会社のロゴが入ったコンテナを積んでいるのでひと目見ればすぐにわかるのも特徴となっている。海上コンテナは世界的に規格が決まっていて、40フィートと呼ばれるサイズなので、積むシャシーもそれに合わせて、どれも同じ大きさに作られている。
構造的にも、箱を載せるだけなのでフレームと車輪だけと、ほかのトレーラーと比べるとかなりシンプルだ。実際に見てみてもただの鉄骨を組み合わせた、地味なフレームである。それゆえ、使っていないときの保管は効率悪そうなのが気になる。その点はプロも考えているわけで、斬新かつ大胆な保管方法があるのだ。
まずはタワーパーキング型というか引き出し型。東京の大井埠頭で見かけるもので、タワーの中がエレベーター状のパレットになっていて、まるでマンションみたいで壮観だ。シャーシはあまりにシンプルなため、どれを選んでも同じなので、見た目などにこだわらず、順番に連結して引っ張っていけばいいため、忙しいときはトラクターがどんどんと引っ張り出していく。もちろん戻すときはその逆だ。
さらにもうひとつのパターンが横浜の本牧埠頭にある立てかけ型。地元の運送業者10社が設立した事業組合、横浜シャーシターミナル協同組合(YCT)が運営しているもので、こちらは名称からもわかるように、シャシー運用の効率化や整備などを行なっている。保管方法はまさに立てかけで、縦に並べてあって、とにかく見た目は壮観すぎて、シュールですらある。
確かにただのフレームではあるので、立てかければ保管効率はいいのだろうが、それを実現しているのは大胆だ。ちなみに巨大かつ、重たいシャシーをどうやって横から縦にするのかというと、フォークリフトに付けた専用アタッチメントによって、引き起こすようにしている。
横にある横浜シンボルタワーや道路からも見えるし、先のタワー型も同様に近くから見られる。実際に見てみると、近未来の建造物のようでもあり、サイバーな感じが十分。近くに行った際にはぜひ見てみてほしい。