「手放し」&「よそ見」中の自動運転で事故が起きたら? 保険の扱いとは (1/2ページ)

現時点で国の制度ではレベル4まで想定している

 ついに日本の公道を自動運転レベル3の自動運行装置搭載車が走り始めた。言わずもがな、それはホンダセンシング・エリートを搭載したレジェンドだ。

 高速道路(一部は除く)での渋滞時限定とはいえ、ドライバーが周辺監視からも解放され、すべての運転行為をクルマに任せることができるというのはじつに画期的だが、もし事故が起きた場合の責任や保証はどうなってしまうのか。そのあたりの整備はされているのか、と指摘する声は少なくない。

 当然、政府として自動運転レベル3を認可するには、そうした整備がされているのは当然だ。そもそも、こうした状況を想定した被害者救済という考え方は数年前から損保各社が採用している。

 たとえば、損保ジャパンの自動車保険においては、2017年7月から「被害者救済費用特約」が自動付帯されている。自動運転中にドライバー等に責任がなく発生した事故は、本来の使用とは異なる動作が生じたと捉えることができるため、被害者救済として賠償金相当を支払うことが可能となっている。もちろん、この特約を使って賠償金を支払った場合は、等級に影響しないので保険料が上がることはない。

 もちろん、自動運転中であってもドライバーがなんらかの操作を行なうなど、少しでも責任があると認められれば、通常の事故と同じく対人賠償責任保険、対物賠償責任保険で支払うことになり、その場合は翌年以降の保険料に影響することは言うまでもない。

 これはいわゆる任意保険での対応だが、加入が義務付けられている「自賠責保険」においても自動運転中に起きた事故についての賠償と責任の所在については明確になっている。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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