日本の四角いトラックとは違う! なぜアメリカは「ボンネット型」が主流なのか? (1/2ページ)

アメリカの人たちにとっては「セミトラック」が当たり前

 長年のアメリカ生活のなかで、アメリカ人に対して「それって、なに言ってるの?」と思ったことが何度かある。そのうちのひとつが、「セマァ~イ・トラック」だった。

 サウンドとして「狭いのか?」とは、なんとも日本人的な表現で恐縮だが、「セマァ~イ」とは、SEMIのことだ。アメリカ英語では、これを「セミ」ではなく、「I」を「アイ」と発音して、さらに抑揚がつくので、「セマァ~イ」と聞こえる。

 このSEMIトラックとは、いわゆるトレーラーヘッドのことだ。このヘッドとは、まさにトラックの「頭」の部分を指す。つまり、アメリカの大型トラックは牽引車なのだ。

 欧州でも、こうしたトレーラーヘッド型のモデルはあるが、アメリカの場合は、ケンワースなどの大手がキャブオーバー型も開発はしてきたものの、市場での人気はボンネット型が主流となっている。

 NASCARやインディカーなどのレーシングチームのトランスポーターも、そのほとんどがボンネット型のSEMIトラックを使用したトレーラーけん引タイプである。

 以前、そうしたレーシングチームの専属ドライバーに、SEMIトラックの良さを聞いたことがあるが「いいも悪いも、これは俺たち、アメリカの当たり前なんだよ」と笑い飛ばされたことがある。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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