キーを付けたままクルマを置いて徒歩避難した人は半分以下! 運転中に大地震が発生したときの本当の対処法とは

大きな地震が発生した際は基本的にクルマは使えない

 東日本大震災からちょうど10年……。先日も福島県沖で大きな余震が発生したが、日本列島ではいつ、どこで大きな地震が起きるかわからない。そこで、クルマを運転中に地震が発生したときの対処法を復習しておこう。

 消防庁の防災マニュアルには、次のように書かれている。

●揺れを感じたら

1: 急ブレーキは禁物です。ハンドルをしっかり握り、前後の車に注意しながら徐々にスピードを落とし、道路の左側に停車します。
2: エンジンを切り、揺れがおさまるまでは車外に出ず、カーラジオから情報を入手します。
3: 避難の必要がある場合は、車のキーはつけたままにし、ドアをロックしないで、窓を閉めます。
4: 連絡先を見えるところに書き、車検証などの貴重品を持ち、徒歩で避難します。

●車での避難は、緊急自動車などの妨げになりますのでやめましょう。

●高速道路では、普通の道路を走行中の対処に加え、以下の点にも留意しましょう。

・高速走行しているのでハザードランプを点灯させ、前後の車に注意を喚起します。
・高速道路では約1kmごとに非常口が設けられており、ここから徒歩で地上に脱出することができます。

 これが地震発生時の大原則。基本的に大きな地震が発生したときは、クルマは使えないと思ったほうがいい。なぜなら、

・地震による停電で信号機がストップする可能性がある
・大規模な渋滞が発生する可能性がある
・道路に徒歩で避難する人々があふれてくる
・道路が陥没したり、橋が落ちたり、塀やがれきが道路に崩れ落ちてきたりして、走行不能になる道がある
・トンネル内の天井や壁面が落下して危険
・津波が発生
・ガソリンスタンドに客が殺到。あるいは停電で給油機がストップ。燃料が貴重になる。
・地震後、都市部の主要道路などは交通が規制される。

 といったリスクがあるからだ。

 ちなみに、自動車安全運転センターの資料によると、2016年の熊本地震(震度6弱以上)の際、地震発生時に走行中だったドライバーの49%が揺れを感じてすぐに停車し、数分以内に停車した人は22%だった。そして停車後に、クルマを離れ徒歩で退避行動をとった人は27%。

 避難するとき、クルマにキーをつけたままクルマを離れた人は44%、ドアロックをせずに避難した人は61%という結果になっている。キーレスエントリーのクルマの場合、「電波式キーレスエントリーキーの場合は、キー本体は車内の目立つ場所、たとえばスピードメーター周辺に置きながら、キーに内蔵されている補助キーを取り外し、自分で管理しましょう」とJAFでは呼びかけている。

 トンネルや高架、海や崖、塀のそばからはいち早く離れたいが、大きな地震に見舞われたら、慌てずに安全な場所に停車して、クルマにキーは付けたまま徒歩で避難するということを忘れずに。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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