金利0%のほうがユーザーとしては嬉しい気もするが……
最近世の中では、“分断”とか“二極化”といった表現がよく用いられることが多くなってきた。新車販売の現場でも愛車の乗り換えサイクルが、長期化と短期化に二極化。これは、車両代金の支払い方法の違いによるものだ。
現金一括払い派は、車齢13年超で自動車税がアップしたり、愛車の長期保有が進んだ末に致命的な故障が発生したタイミング、つまり乗り換えサイクルの長期化傾向が目立っている。一方で残価設定ローンを使いこなすひとほど、月々の支払い額を電気代やガス代のように捉え、月々の支払い額が不変、または許容範囲でのアップならば、早ければ初回車検前というサイクルで新車へ乗り換えを続けるひとがここへきて、かなり目立ってきている。これがここ最近の新車販売現場のトピックのひとつである。
ちょうどいまは、1年間でもっとも新車の売れる年度末セールが展開されている。その年度末セールでの、各メーカー系ディーラーの買い得度のアピールも、最近では金利の低さを競い合う傾向が目立っている。
年度末セールのような増販期では、2.5%や1.9%という超低金利ローンが期間限定で設定されることも珍しくなくなった。日産自動車では、セレナ、エクストレイル、リーフ、スカイライン、キックス、デイズ、ルークスを対象に、購入後一年間金利負担実質0%キャンペーンを2020年12月17日以降、2021年3月31日までの成約を対象に実施している。
これは、初回支払月から1年間分の金利相当額を初回支払月の翌月にキャッシュバック(口座振り込み)することで実質金利0%にするというもの。たとえば、セレナe-POWER ハイウェイスターV(2WD)ならば、1年間分の金利相当分となる14万4円がキャッシュバックされることになる。
ここで、「こんな面倒なことしないで、単純に金利0%キャンペーンとかにすればいいのに」と思ったひともいるはず。アメリカや中国では、ローン金利0%キャンペーンというのは当たり前のように行われているのだが、日本では輸入ブランドの一部が期間限定で時おり行う程度となっている。なぜ日本では0%ローン金利はなかなか実施されないのか? これは日本における、ディーラーローンというものの特殊性があるのだ。