パワートレインに特徴あり
SUVブーム真っ只なかにあっても根強い人気と需要に支えられているのがA、Bセグメントとなるコンパクトカークラスだ。国産ではトヨタ・ヤリス、ホンダ・フィット、日産・ノートの御三家が凌ぎを削リ合う激戦状態にある。今回はそんな過酷な日本のコンパクトカーマーケットに挑んでいる欧州の主要コンパクトモデル3台を比較しながら、その魅力をリポートしてみたい。
用意されたのは独VW(フォルクスワーゲン)ポロ、仏ルノー・ルーテシア、仏プジョー208の3台だ。
3台を並べて俯瞰してみると、それぞれ外見的に特徴があり面白い。車体のディメンションを見てみると、ポロはTSI R-LINEというモデルで全長×全幅×全高は4075mm×1750mm×1450mm。WB(ホイールベース)は2550mmとなっている。
対するルノー・ルーテシアは新しく生まれ変わって間もない最新モデルのINTENS TechPackで、日産とのアライアンスで共有しているプラットフォームを採用。ディメンションは4075mm×1725mm×1470mm、WBは2585mmとポロとほぼ同じ大きさだ。
一方、プジョー208は2020~2021年日本カー・オブ・ザ・イヤーでインポート・カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれた実力車。試乗に供されたのはガソリンエンジン搭載モデルのGT Lineで4095mm×1745mm×1465mmのディメンションでWBは2540mmだ。
寸法に多少の違いはあれど、この3車がほとんど同じカテゴリーの車であることが数値的にも見て取れるのだ。
だがパワートレインに目を移すと、3車はそれぞれ異なった特徴を持たされている。ポロは1.5リッターで直4直噴ターボエンジンを搭載していて、出力スペックは最高出力が150馬力/5000~6000rpm、最大トルク250N・m/1500~3500rpmと強力だ。これにVWが得意とするデュアルクラッチの7速DSGトランスミッションを組み合わせている。
ルーテシアは1.3リッターの直4直噴ターボエンジンを搭載しており、最高出力、最大トルクは131馬力/5000rpm、240N・m/1600rpmで、こちらもデュアルクラッチの7速EDCトランスミッションを採用している。
208は1.2リッターで3車中唯一の直列3気筒ターボエンジンを採用。最高出力100馬力/5500rpm、最大トルク205N・m/1750rpmだ。トランスミッションは8速のトルコンATが組み合わされている。
3車とも前輪を駆動するFF車という点も共通で、数値スペックからだけでは個性を見出だすのは難しい。