バスドライバーは「バス愛」が強い印象
小さいころに、「バスの運転士さんになりたい」や、「タクシーの運転士さんになりたい」と思っていたひとも多いはず。タクシー乗務員の求人広告で「好きなクルマをずっと運転しながら稼げる仕事」というフレーズを見かけたが、やはり運転士を職業とするひとの多くは好きでやっているのだろうか?
答えはバスとタクシーとではまったく異なっているのが一般的。バスの運転士については、筆者が取材などで多くのバス事業者を訪問したり、現役運転士に話を聞いた限りでは、かなりの割合で強い“バス愛”を感じることができるバス好きばかり。一方でタクシーはバスとは真逆で、クルマへの愛着はほとんどなく、生活のために日夜運転している運転士が多いという印象を強く受けた。
このような違いが出てくるのは、まずタクシーについてはすでにマイカーを運転するために一種免許を持っており、二種免許を取得すればタクシー運転士になれるが、バスの場合は大型二種免許を取得しなければならないという、運転士になるための“ハードル”の違いが大きいようだ。
とはいっても、事業者によっては“専任車”などとして、それぞれの運転士専用車としてバスやタクシー車両を与えるところもあるのだが、そうなると、バスもタクシーも“オレのクルマ”となり、大切に乗るのは共通している。車両撮影をしていると、「オレのクルマに何しているんだ」といわれることもしばしば。専任車を用意する事業者がある一方で、新車も含めて、公平に車両をローテーションなどして乗務してもらう事業者もある。バスの世界では、専任車制度の有無や、保有しているバスのメーカーなどで就職先を決める運転士も結構いるので、バス運転士のほうがより車両への興味や運転する楽しみを重視しているといえよう。