雪が降り始めるシーズンがとくに危険!
暦の上では立冬も過ぎ、本格的な冬のシーズンが近づいている。
冬になると、毎年都市部に雪が降ったとき、交通機関が麻痺して、道路は渋滞。あちこちで事故が発生し、歩行者も転んで怪我をしたというニュースが流れるが、これは雪に不慣れな都市部だけに見られることなのだろうか?
あまり知られていないことだが、じつは雪国でもあまり状況は変わらないらしい。
岩手県に住むモータースポーツ関係者のA氏に聞いたところ、東北地方でも初雪のころは事故が多く、道路の流れも悪くなって、歩行者でも転んで怪我をする人は珍しくないという。
「東北の人でも、初雪が降る前にスタッドレスタイヤに交換しているのは少数派ですね。みんな街なかに雪が降り始めて、慌ててタイヤ交換をするという点では、都市部の人と同じですよ。スタッドレスに交換しても、雪に慣れるまでの数日間は、極端にペースを落として走る人も多いので、けっこう渋滞しますし、歩行者でも雪で転んだって話はよく聞きます。もちろんクルマの事故もよく見かけます」(A氏談)。
実際、岩手県の交通事故発生件数を調べてみると、12月~2月までのウインターシーズンで一番事故が多いのは12月。令和元年のデータでは、12月が179件、1月が159件、2月が140件と、雪が降り始める12月が一番多い。
ちなみにA氏によると、軽自動車、とくに軽トラックなどは毎年新品のスタッドレスタイヤに交換する人が多いので、グリップ力に余裕があるらしいが、3シーズン以上使ったスタッドレスになるとかなり頼りがなくなってくるとのこと。
またタイヤの銘柄によっても性能差が大きいので、雪国で評判のいいスタッドレスを購入するのも重要なポイントとアドバイスしてくれた。
というわけで、久しぶりに雪が降ったとき、事故や渋滞が増えるのは、どうやら都市部だけではないらしい……。
今年は都市部、雪国にかかわらず、早めに冬支度を済ませたうえで、雪に慣れるまでは慎重な運転で、安全第一を心がけよう。